世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、
10月12日、記者会見で新型コロナウイルス
対策を巡り、人口の一定割合がウイルスへの
免疫を獲得することで感染を抑制する[集団
免疫]について、[科学的にも、倫理的にも
問題がある]と指摘した。
集団免疫をめぐっては、一部の専門家が感染
拡大抑制に備えた対策として、60%以上などと
一定の割合の人口がウィルスに感染することで、
パンデミックを阻止する方策を提唱しているが、
テドロス事務局長は、否定的な考えを強調した。
経済活動への影響をできる限り抑える目的で、
緩やかな制限措置を続ける北欧スウェーデンが
集団免疫を形成する政策を採用し、成功した。
また、日本人についても、発生初期段階からの
変異を重ねるウィルスへの複次的感染により
ほぼ集団免疫を獲得しているとする専門家の
指摘もあり、今更否定されても、[集団免疫]で
よいではないかとなる。
しかし、感染症の専門家としての立場から、
[これまでの公衆衛生の歴史の中で、集団免疫が
感染症の流行に対応するための戦略として
用いられたことは一度もない]とバッサリ。
国民の半数以上が、感染による免疫を獲得
している状態を「集団免疫」と呼ぶことが
何故だめなのかと言えば、[集団免疫とは、
ワクチン接種に関して用いられる概念だ]と指摘。
ワクチンによる免疫で、感染から守られることを
意味し、人々をウィルスに晒すことではなく、
ウィルスから守ることによって達成される
ものだと述べている。
専門学的には、そうだとしても、感染により
免疫を獲得したことをどう呼べばよいのか。
取敢えずは、多数免疫か過半免疫とでもするか。
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