2020年7月、中国の副首相が国の食糧安全
保障を語り、食糧増産に発破をかけた。
また、8月には、習近平が食料の無駄や食べ
残しを無くすように命令を下した。
2021-2025年の5ヶ年計画では、この計画の
終わりまでに1億3000万トンの食糧食料不足が
発生すると報告している。
この量は、2億5000万人ほどの人口を養う
量に匹敵するというから、日本の2倍の人数だ。
この不足量を、中国は輸入に頼らざるを得ない。
一方、2019年の食糧安全保障白書では、穀物
自給率は95%を超えていると記している。
日本の大学教授が国連食糧農業機関(FAO)の
統計に基づいて、カロリーベースの自給率を
算出した結果では、2000年時点では94%
だったが、2010年には83%にまで急降下。
2019年は78%前後だったが、2020年には
揚子江下流域の大洪水や穀倉地帯の東北地方の
干ばつなど天候の影響などで76%前後に低下。
ここ数年間の食糧生産量は、6億5000万トン
前後で頭打ちだということだから、76%と
いう数字は順当なところだろうし、党中央の
慌てぶりからも危機的な状況は推測できる。
増産に備えて、幾ら号令をかけ、命令を下し
ても、農地の開発を進めて宅地化し、工場
誘致をすることで、地方政府はGDPアップの
中央の命令に応えており、農地は減る一方に。
結局は、今後とも輸入依存度は上昇一途。
2019年の食料品の輸入額は、過去最高の884億
ドル(約9兆8000億円)に達しているとされる。
国内の人心安定化に備えて、食糧不足は何と
しても避けねばならない時代に入っているにも
関わらず、米国を始め、日本や近隣諸国に
争いの種をばら撒くことの重大さを党中央は
どの程度理解しているのか、不思議な話だ。
「備えよ常に! 備えあれば憂いなし」です。
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