自然に優しいバイオエタノールは化石燃料の石油に
替わる期待の星として持て囃されていますが、アメリカ
で起こっているのは、大規模な河川や海域の汚染です。
中南部のトウモロコシなどの生産地帯を流れる河川は
バイオ燃料の生産工場から処理されないままに排出
アンモニアやグリセリンなどを含む搾りかすの廃液に
より、魚介類の住めない河川となってしまっています。
また、トウモロコシなどの生産のために使用される過剰
な窒素肥料がミシシッピ川などを経て、メキシコ湾に
流入して、大量の窒素酸化物となり海域汚染を引き
起こしています。
窒素酸化物のために多量の藻が発生し、これらの藻
が死滅後に堆積してヘドロ化しています。
こうした死の海、デッドゾーンが近年、拡大を続けて
いる様は、中国の渤海湾の死の海化にも決して劣ら
無い状況を含んでいます。
ブッシュ大統領のエネルギー政策法の下、バイオエタ
ノール増産にまい進するアメリカ農業のが背負う穀物
価格高騰や食糧不足問題と共に、もう一つの環境破壊
という大きな課題を背負っているのです。
資源活用のバックアップ態勢の 備えが無いまま突っ走る
金儲け優先の市場主義のツケが、アメリカ農業政策の
背にのしかかっていることを早く気付いて対応をしな
ければ、米中は世界の環境破壊の元凶とされる日が
来るのも遠くはないことでしょう。
「備えよ常に! 備えあれば憂いなし」です。
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