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うっ!こんなに面白いとは・・・時代小説

2022年11月17日 | 喜怒☆楽

これまで全く関心が向かわなかった時代小説。

それが今、マイブームとなって止まらない。

きっかけは浅井まかての「類」を読んでから。浅井さんとは抜群の相性と感じ、”次”を探したら時代小説がほとんどだった。

(全く時代物に疎い

次、次と浅井作品の8割?ほどを読みさすがに飽きがきた。暫く間を置くとする。

 

で、他の作者の作品を・・・と、アマゾンでいろいろ物色後、数人の作品を選んでみた。

①「弥勒の月」・・・「バッテリー」の記憶を呼び起こし”あさのあつこ”さんなら合いそうだと決めた作品だが、

これがガチャリと嵌ってしまった。

容疑のかかった  東野屋主人・清之介(周防清弥)が気になってしょうがない。闇を抱えた非常に魅力ある人物設定だ。

少々自己中の主人公の同心・小暮新次郎と彼に仕える岡っ引き伊佐治とのやり取りも面白い。偶然、シリーズものの①に

出あえたことに喜ぶ。次は「夜叉桜」が控えている。

②「天地明察」・・・これは当時、原作があることを知らず映画の方を先に見てしまっているが面白かったので原作を読むことに。

やはり、映画で面白いものは原作は数倍面白いことを確信する。

③「霧の果て」短編・・・あまりにも著名な藤沢周平さんです。時代小説=藤沢周平というくらいの知名度なので逆に敬遠していたけれど

やはり多くの方に長年支持されているという納得の内容だった。少々行動に難ありの神谷源次郎だが鋭い観察眼が冴える。

「蝉しぐれ」・・・藤沢周平。時代物に疎い私でも知っているあまりに有名な作品。2005年市川染五郎(現・幸四郎)主演で

映画化され、染五郎ファンだったのですぐ観に行った記憶がある。それから17年経てやっと原作を手にとる。

読了後、この本に辿りつけた経路に感謝でした清廉な武士・父親の非業な死を経て牧文四郎は友人とともに逞しく成長していく。

深奥にはいつも初めて恋をした少女ふくの面影があった(将軍の側室となってしまっているので手の届かない存在)。

剣捌き・秘めた恋・友情・家族の在り方・不安定な政情とそれぞれの描写を丁寧に丁寧に懐深いところまで描く。

若い世代にも(こそ)おすすめしたい作品で、一言、面白くて一気読みです。

 

お試し感覚で複数の作者をそれぞれ読み漁ったので主人公の名が・・・・・

神谷亥治郎と小暮新次郎と遠野清之介と惣十郎(現・読売新聞連載)が頭の中で混迷状態

藤沢周平さんを絞って読み始めたら作品の多さで残りの人生藤沢作品だらけになりそうで怖い。

時々、無理にでも現代に切り替えねば。。

 

ちなみに「蝉しぐれ」TV版(NHKオンデマンドで視聴)の方は、文四郎の友人与之助役は宮藤官九郎(クドカン)です。そして映画版は今田耕司が

映画版の方はかなり原作とは違っているかなが、庄内ロケの描写が美しい。殊に雪景色が素晴らしい。

 

 

 

 

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そのプレー・・・待ち望んだ平野美宇

2022年11月14日 | 喜怒☆楽

卓球 ”第3回、パリ五輪代表選考会”

平野美宇、優勝!!

待ってました美宇。ここ暫く彼女の活躍が上がってきてなくてどうしたのかな?と思っていたら・・凄い強さで現れた。

まさにこんな勢いの試合展開だった。伊藤美誠(4:0)・早田ひな(4:2)選手を破り、リプレーで流れてくるスロー映像に

「おぉ!!」と一人どよめいた 本当にカミソリと異名をとるような鋭いキレのあるプレーに口が開きっぱなし。

美宇のプレースタイルにぞっこん惚れる。

サーブ前、キっツイ迫力ある人相で対戦相手を睨む美宇(この表情が大好物なんです

一気にポイント50を加点しポイント数で3位に浮上したようだ。

2位までがオリンピックでシングル出場権が与えられるのでもう少し・・・と言っても、美誠・ひなに加えて美柚・美悠と

控えている中、相当熾烈な争いが待っている。

 

卓球は基本お気に入りの選手が出場する試合しか録画しないけれど(戸上くん・美宇)、過日の世界選手権での両”みゆ”の

試合を初めて見たが、とても落ち着いていてびっくりした。ふたり共に好印象で2年後のパリで打ちあがるかも知れない。

(殊に長崎美柚

 

 

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幸せの答え合わせ

2022年11月06日 | 映画

「幸せの答え合わせ」イギリス/2019  ドラマ映画(日本公開2021

監督:脚本 ウィリアム・ニコルソン

出演 アネット・ベニング(グレース) ビル・ナイ(夫:エドワード) ジョシュ・オコナー(息子:ジェイミー)

1999年に初演されたニコルソンの戯曲「The retreaafrom moscow」が原作。

 

一言で言えば、熟年夫婦の危機とその息子を描いた作品。

妻グレースの日常の在り方が威圧的でなんとも不愉快。自分の思考行動が中心でなければ気がすまないタイプ。

夫との会話は、彼の会話パターンが煮え切らない?と常にイライラしまるで修正を迫るような勢い。

息子(20代後半かな?)もその母のパターンに嫌気がさしている。

この情景は一時の私に似ていたかもな・・・と、奥底を抉られるような感覚があった。

グレースの言い分は私には分かるが、いくらなんでも攻め過ぎだ(ここまでくると性格破綻者)

エドワードはよく耐えている、息子しかり。

だけどね、グレースは言いたい放題でも相当この状況は苦々しかったはず。

 

ある日、夫は家を出ていくと告げる(とうとう)愛してる人がいると・・。

「出ていく」だけならさほど傷は深くないが「他に愛してる人の元へ」はきついな。

「え!?」と自分の来し方を高速で振り返ってみるかもしれない。だが、「そちらへ行く」と既に告げられているのだから「はい、どーぞ」とあっさり返してしまうのが私。相当なショックを押し隠して。

そこからのグレースは思いの他、痛々しかった。怒りも哀しみも愛情もぶつける。

息子がしっかり寄り添ってその危機を和らげていくさまに染み入る。優しい言葉かけだけではない。

難敵ママはしっかりしたストレートな気持ちを含んだ言葉でなければ納得しないのだから。

傷心のグレースはある決意をして海岸の険しい丘の上に立つ。息子はその母の決意を見て留めた際に吐露する

心情が胸を打つ。

賢い前進的な母にはいつも前を歩いていてほしい。そうすれば僕は安心して歩いていけると・・。

この当たりの母と息子の会話は何度もリピートして噛みしめた場面だ。

この息子役のジョシュ・オコナーがこれ以上ないくらい適役だろう。その表情の優しさときたら・・・。

 

グレースは誰にも真似できない(突然、スっと彼らの家に入っていく。訪ねるではない)やり方で女に会う。

一見冷静に。女は言う「3人ともに不幸だったが、今はひとりだけ不幸」だと。

ひとりだけ・・・にわたしは大いに戸惑う(グレースはこの言葉を聞き、一言も発せず帰る)

どのように解釈したらいいのだろう。「ひとりだけ不幸」って。女の立場から発したこの言葉。

女の身勝手極まる言い分ととるか・・冷静な正しい判断ととるか(しかし、元妻に言うかね)

 

でも、結果的にこれで良かったことに気が付く。グレースは人生の終盤に彼女にとって良き道を期せずして

歩むことになったと感じる。泣いて泣いて怒って怒って辿りついた穏やかな道。

母と息子はよく理解しあい、夫もあちらで穏やかに過ごし、元3人家族の帰結はいいところに治まったと思うのです。

 

ラストの場面は、母が編んだ「詩選集」を息子がウェブサイトで公開するというくだりで

詩選集のタイトルは「かつて ここにいた」。なんていいタイトルなのだろう。

悩みを抱えている人、厳しい生活状況の人、病魔と闘っている人などなど、ここにきてこの詩に触れてみて

というコンセプトで編まれたサイトです。

 

 

 

 

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