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ラッキーな偶然・・・蒲田行進曲

2010年01月02日 | 映画
「蒲田行進曲」1986/つかこうへい脚本 深作欣二監督 
         風間杜夫 平田満 松坂慶子 

昨日(元旦)夕刻、ニュースを見ようとTVのリモコンを押した。
そのとき、隣を押し間違えて9chを・・こんなチャンネルの番組
は見たことがない?そもそも映るってことさえ知らずにいた。
・・・先に、懐かしいメロディが耳に入る蒲田行進曲
おぉ、20数年ぶりの銀ちゃん・ヤスさんとの僥倖。
迷わず腰を据えて見ることにした。

撮影所をメインの舞台とし、主演俳優(銀ちゃん=風間)とそれを
取り巻く大部屋俳優(ヤスさん=平田)・銀ちゃんの恋人で元女優
(小夏=松坂)のあれこれをハイテンションの喜劇仕立てで描く。

風間杜夫はこんなイケメンだった?と見直すほど風間がきれいな顔
をしている。
激情(劇場と置き換えてもいい)肌の銀ちゃん役を生き生きと演じている。
激すと相当危ない性格だ・・だけど人情家。見栄っ張りで寂しがり、
本当はこんなふうにハチャメチャやってみたいと思って出来ないような事を
銀ちゃんは小気味よくやって退ける。
そのテンションの激しい高低をノリノリのリズム感で演じ分けている。

松坂慶子は非の打ちどころなく美しい。
ヤスさんの田舎で浴衣着て風呂場を掃除しているシーンが松坂の美しさを
余すところなく引き出している。
浴衣は白地の生地に紺の茎・赤の小花弁を散らし、襷に桃色を配す。
そして着物の裾をふくらはぎから端折った先に見える白いしなやかな素の脚。
顔も捲くった腕も風呂場の湯気で潤って肌が透けるような白さだ。
(こんなピンクを少し混ぜたような素肌の白さが好みだ。青白いのはダメ)
脱ぐことなく清潔感溢れ女の美しさを最大限に引き出したこの場面に好印象。
少々上手くない程度の加減が初々しさを増す効果があったと思う。

そして、そしてヤスさん(平田満のファンである)
この役は平田満しか居ないでしょ
大好きな銀ちゃんにこき使われることが嬉しくてしょうがない顔。
好き勝手にパシリをさせられヘコヘコとへつらうヤスさんの情けない顔。
銀ちゃん大好きから派生する哀歓が漏れなく表出されている。
あの有名な”階段落ち”の場面以外でも体当たりの演技だ。銀ちゃんとのコラボな
演技がピッタリ息が合っていて、キレの良い動きにうっとりする。
(この人、かなりの運動神経と見た)
浪人風の出立ちがヤスさんの風貌にピタリと嵌る。
袴の上の真っ直ぐな背中、草履を履く素足の清潔感、
情けない表情裏の慈愛に満ちた眼差し・・いいなぁ。
ファンの女の子が銀ちゃんにサインを貰い走り去る寸前、銀ちゃんの無謀な
要求で車を追いかけ追いつき前バンパーに飛び乗るシーンのカッコ良さが
強烈に印象に残る。
ずっとずっと平田満のファンです。この人のナレーションもとてもですよ。

ヤスさんが田舎に嫁さん(小夏)を連れて帰郷したときの村挙げての歓待ぶり
は笑っちゃうくらい度外れていて面白い。ヤス母の清川虹子の存在感たるや
凄くて怖い
蟹江敬三・萩原流行などなど皆さん若くてキレイ。
やっぱり若いってキレイなんだナ・・と今更ながら思うのであった
フィナーレの演出も意表を突いて愉しい!

あの頃、原作・脚本の”つかこうへい”にちょっと嵌っていた。
熱海殺人事件の原作もかなり面白いですよ


チャンネルを偶然押し間違えたことに感謝、感謝!!

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