日々、思うことをサラサラと。

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鰻と父

2008年07月12日 | 喜怒☆楽
偽装で世間を騒がした鰻。
国産は全体の供給量の2割程度しか出回ってないという。ならば高値で購入するしかない。安くて国産・・という鰻が出回っていたら疑うべし。

さて、その鰻と父にまつわる話です。
地方から東京に出てきたばかりの頃、先輩に鰻をご馳走になった。そのお会計の金額を聞いて驚いた。約カツ丼3個分だろうか(当時)「え、なんでこんな鰻がこんなに高いの?」と私は解せなかった。

だって、実家では食べ放題だったのである。時期がやってくると、父手製の鰻が食卓に上る。手製の鰻とは・・・・父が川に仕掛けた罠で鰻を捕獲し、捌いて調理するまでの段階を指す。
仕事をサボり喜々として川から帰って来る父を何度か目撃した。胸までくるゴム長を穿き、鰻をおびき寄せるためのガラス張りの木箱を持ち、意気揚々と大股で歩く姿が懐かしい。帰宅すると早速、鰻を捌く。この段階も調理好きの父には嬉しそうだ。細長い鰻専用のまな板があり、まず頭にグイと1本錐を立てる。そこから素早くグニグニ断末魔の如く動く鰻を容赦なく押さえ込み、頭から尾ひれまで一気に包丁を走らせる。これはダイナミックな技だ
生肝をヒョイと口に運びグビと飲み込む父を、目を点にして見つめる私。ここまでは近所の方も時々眺めに来たりして賑やかだ(生肝を所望する人もいる)捌いた後は炭火で焼く。じっくりじっくり父秘伝のタレで何度か重ね塗りして焼いていく。
そして出来上がりは・・・・まぁ、フツーに美味しかった私は鰻は好物ではなかったがタレが甘辛くとても美味しかったという記憶がある。

そういう経緯もあり、未だにわざわざ高いお金を支払って鰻を食べようという気になれないのである。父秘伝のタレをご飯にかけて食べたいなぁ。




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鳥肌が立つ

2008年07月12日 | 美術展・本
川端龍子「金閣寺炎上」
ど迫力メラメラと燃え立つ炎、戸惑いをみせる不穏な木々、これを描いているときの川端龍子を想像すると怖い。この作品は初めてではないけれど、今回こんなに超ド級の迫力をもってピシピシ迫ってきたのはなんでだろ。静寂な会場でじっくり観られたからか?・・・うん、これも理由の一つとなる。

須田国太郎「歩む鷲」
この世で「鳥類」が苦手な私にとってこの巨大な筋肉鷲を前にして鳥肌が立っ(設置場所も上手い)不気味な枝ぶりの大木の横をのしのし太い重量感のある脚で歩く。そうそう、この歩く鳥の様子が苦手な要素の重要な一部なんである。3本の指(?)がいかにもオカルトっぽいのだ。それにしても、生涯忘れられない絵画に出会った。夢の中でうなされるかも、だ。

「国立近代美術館 常設展」にて
内容充実。じっくり散策感覚で楽しめます。なにより空いてます作品全体を誰にも遮られることなく見られるって気持ちよい。年3~4回展示替


 







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