監督樋口真嗣さん、脚本庵野秀明さんのシンゴジコンビ。
約55年前に地上波で放送されていた特撮番組
「ウルトラマン」をリブートした映画。
日本にのみ出現する謎の巨大生物「禍威獣」を撃退するために立ち上げられた
「禍特対」は、かろうじて巨大生物を駆除していたが
電気をエネルギー源とするネロンガの攻略に苦戦していた。
そこへ謎の生命体が天から現れて……というあらすじ。
最初からギャンギャンに詰め込まれる表示テキストと
全員が聞き取れる前提ではない早口の文語体の会話、
「へい、おまち!いつものやつね!」と、お通しが出てきた感じでした。
半世紀後のリメイクだけあって、エネルギー表現は新しいし
カメラワークが凝っていて、怪獣のデザインもランクが上がり、
リブートした意味はあったな!と思った。
最後までばれ
ウルトラマンについては大して詳しくないが、
ネロンガ、地味に歯が増えていたのが好きだし、
スペシウム光線のモーションを左手先からの視点で撮ったのは
考え付いたひと天才だなって思ったし
飛行するウルトラマンにベイパーコーンが出てて、おっ!てなったし、
あとシン・ゴジラより3~4割予算を削られたという噂を聞いたので
それが本当なら、お金のかかる戦闘を極力避けて、
上位種SFに比重を置いたのは正解だなという気がしました。
「幼年期の終り」と「三体」を思い出したのですが、
宇宙人を出すと、設定を作った人の価値観がモロに出るな…と思います。
この映画に出てくる宇宙人は皆理詰めでものを考え、損得で行動する者が多い。
(交渉の余地がある)
でもザラブ星人とメフィラス星人、キャラがかぶってるので
もう少し離したほうがよかったのではないか。
この映画で最も優れた点はメフィラス星人のキャラクターとキャスティングで、
山本耕史さんは予告の時から宇宙人にしか見えなかったし
名刺を差し出した時点でもう勝ってた。
(好きな言葉を挙げていくのかわいいし、
捲土重来も「嫌いな言葉」って言わないところが細やかだし怖い)
宇宙人も法的なものに縛られていて言動を制限されるの面白いし、
資源的価値を独占したい、というのは経済あるいはそれに近い概念があるのだな。
光の国のひとたちの価値観はまた違うようだが、
ゾーフィ(さすがにゾフィーではないようだ)の言動から考えると
宗教に近い倫理なのかな?と思う。
(でも好意による自己犠牲的な献身への理解はある)
リピア、78億人全員のび太くんの星、みたいなところに赴任して
何しろのび太くんなのでアホのくせにすぐ調子に乗って
すぐ騙されて、また騙されて、ジャイアンにぶちのめされて
ウェェェン!ドラえもーん!って泣かれて目が離せない…でも好き…
みたいな経緯で気の毒だった。
捨てて帰っていいんだよ?君も星に家族や友達がおるだろう。
1点のみdisるが、
長澤まさみさんのスカートの中をローアングルで撮ったりするやつは、
もう本当にださいのでやめてほしい。
えっちだからやめてほしいんじゃなくて、ださくて恥ずかしいんです。
ヅラが飛んで禿頭になるコメディを
いまだに面白いと思って延々やっている感じって言えば通じますかね…。
庵野さんは、巨大生物が地面と平行になって
空に浮かんでいる絵面がお好きだな…と思ってました。
しかしゼットンガチ勢とかがもしおられたら、
推しが1兆度火の玉製造機となった気持ちはどんなものか聞いてみたい。
やっぱりつらいんだろうか。
あのめちゃくちゃおいしそうな居酒屋は、
浅草一文本店というお店だとSNSで知りました。
メフィラス星人、いい店をいっぱい知ってそう。
インスタアカウントを教えてほしい。
「大怪獣のあとしまつ」と比較すると、さすが本家だけあって
格の違いがよく分かりました。