映画の豆

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「危険なメソッド」

2012年10月30日 | 実話系

デヴィッド・クローネンバーグ監督が
精神科医カール・ユングとその恩師ジークムント・フロイト、
患者のザビーナ・シュピールラインの3者の間で起こった出来事を描く映画です。
元は舞台劇(その原作は事実に基づく小説)とのこと。

何が危険なのかよく分からなかった。
ザビーナは子供の頃父親にぶたれて性的に興奮したというくらい年季の入ったマゾヒストで、
ユングにプレイを望みますが、当時のモラルからすればとんでもない醜聞でしょうが
現代の感覚からすると「楽しそうでいいですね」くらいなので、
ユングとフロイトの間でスパンキングくらい行われるのかと思ったらなかった。
ユングはファスベンダー、フロイトは我らがアラゴルン、ヴィゴ・モーテンセンです。

内容ばれ
下世話な話を下世話な映画にしないよう、抑えて撮ってあるのですが、
あまりにも淡々としすぎていて少し物足りません。
出会って夢中になって語るあまり13時間が過ぎていたというユングとフロイトのシーン、
当時の紳士的にはああいう態度が正しいと分かってはいても
もうちょっと興奮して早口で幸福そうな表情でもいいと思うのです。
蜜月期と破局時でメリハリがほしかった。

そしてフロイトの友情に翳りがさすシーン、
船の客室がユングだけ一等って理由がちっちぇー。

あと、美しくて上品で貞淑で裕福な妻がいながら
ユダヤ人患者に2度までも手を出すユングは、
立っているだけでなぜか被害者に見えるファスベンダーが演じていなければ
鼻に鉄拳物件でしたよ……。
フロイトも含め全員ユダヤ人とか、ユダヤ人萌えなのかよ。

それからキーワードのすべてを性的なものと関連付けるフロイト先生は
著作から想像する通りのキャラクターでした。
上品な紳士ですが、先生と笑わずに会話できる気がしない。

キーラさんによる発作の演技は凄かった。
狂態を演じるのは役者さんにとって演歌のコブシ部分みたいなものかなと思う。
ていうかザビーナの結婚が唐突すぎて、2、3分抜けてるんじゃないかって気がしました。

全体的に笑顔が少ない映画だった。



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