「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

鮪船ゆけど銀河の幅を出ず 相馬カツオ 「滝」1月号<瀑声集>

2015-01-15 04:41:53 | 日記
 海の男たちは最高の鮪を求めて船団を組んで荒海をものと
もせず漁をしながら、一年を超える航海に出る。南方航路、
インド洋の歌詞が踊る気仙沼のスナックでよく歌われる「お
いらの船は三百トン」の世界を想起していまう。句意は鮪漁
をしている間も、銀河は天球を大きく流れてゆく変らぬ悠久
の景を描き、幅を出ずとは、則をば越えずであり、人の営み
の愛おしさを描いて余りある。(赤間学)