「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

風花が舞ふ北限の高野槇 菅原鬨也 「滝」1月号<飛沫抄>

2015-01-06 04:57:33 | 日記
 高野槇は秋篠宮家の悠久親王のお印として有名であるが、
昔から庭園に植栽し、又高野山では霊木とされ棺材として最
上級とされ、更に現在でも橋梁材として重宝されている。北
限は東北南部である。句意はふと風花の舞う場面に出会った
時、意味無く、北限の高野槇が眼の前に現われた、或いは心
を横切ったというのである。この取り合わせの響合いが俳句
の醍醐味である。この響合いの度合いといい、霊気漂う新し
い詩情の構築といい、俳句の新しい断面を示して斬新な一句
になった。(赤間学)