「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

蒲団干し空へ逃げゆく夢あまた 酒井 恍山 「滝」1月号<瀬音集>

2015-01-07 04:31:24 | 日記
 いまでは蒲団干しをして取り込むときにパンパン叩くと近
隣から苦情が来るらしいが、少し前まではパンパン叩いてお
日さまの匂いをさせながら埃を払ったものだ。掲句の逃げゆ
く夢とは寝て見る夢ではなく、来し方行く夫の青年の頃から
持ち続けていた大望、野望をついになし得なかった、少し淋
しいがそれが大方の現実ではないか、むしろ健全な生き方で
あると思う。(木下あきら)