「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

雨垂れの溜まりし樽や桜桃忌 中井由美子 「滝」7月号<滝集>

2014-07-27 04:08:56 | 日記
 東日本大震災で、ライフラインがことごとく破壊された。
電気は、比較的早く復旧したが、水道は、なかなか復旧に時
間がかかった。飲料水は、何とか確保出来たが、水洗トイレ
の水をどのようにして確保するかに頭を痛めた。我が家では、
2階の雨樋にゴムホースをつなぎ、雪解水などを、ポリバケ
ツに溜めて使った。今でも、植木の水やりなどに使っている。
 桜桃忌は、幅の広い句材と合せることが出来る。この句は、
体験のなかからくる実感のようなものが充満している。生活
の知恵から生れた句ともいえる。
 「桜桃忌」は、「人間失格」など、数々の名作を残した、
小説家太宰治の忌日。(及川源作)