「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

老鶯や築港跡の赤煉瓦 及川源作 「滝」7月号<滝集>

2014-07-28 04:22:25 | 日記
 野蒜築港跡の色褪せた赤煉瓦が夏の鶯と良く響き合う句。
勝手な読みだが、当時の築港にかけた夢や希望が、震災復興
工事に抱く作者の存念と通じるのではないかと思った。航空
自衛隊松島基地のブルーインパルスによるスモークが横切る
空に、日本の国力を思い、実は春よりも、夏の山河の生気と
負けないほど高らかな鳴声だとう夏の鶯の営巣の時期に、人
の暮らしの安穏を願う気持ちが込められたような気がした。
(H)