「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

桑の実や音程狂ふひとりゐて 加川則雄 「滝」7月号<瀑声集>

2014-07-20 04:38:47 | 日記
 蚕の飼料として栽培される桑は、5・6月ごろ、葉腋に淡
黄色の小花をつけ、間もなく実を結ぶ。熟してくると黒紫色
の漿果となる。
 私が小さい頃、学校帰りには、桑の木にのぼり桑の実を食
べた。甘酸っぱく美味で抗酸化作用があるという。又、桑の
実に35度の焼酎を注ぎ、3ヶ月位できれいな桑の実酒を母が
つくっていた。今は、あまり見ることが少くなくなった。近
くでは、合唱の練習中なのか歌声が聞えてきた。一定の音程
に合わせて歌っているのを聞いていると、一人だけ音程をは
ずして歌っているのに気づいた。しかし悠然と自分のペース
を崩さずに歌っている。ふとおかしみが走ってきた。(及川源作)