「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

万緑を捲れば大き放電魚 谷口加代 「滝」7月号<滝集>

2014-07-21 04:20:06 | 日記
 万緑は、中村草田男の「万緑の中や吾子のの歯生え初むる」
の作例によって一般化された季題という。この句も、万緑と
いう大景を据えている。夏の盛りの満目の草木の緑。夏の大
地に漲る生命感を「捲れば」と表現している。又、放電魚と
いう素材も魅力だ。
 放電魚は、もしかすると、「電気鰻」かも知れない。全長で
2mにも達する。筋肉が変化して出来た発電板をもつのでこの
名がある。発電量は、300ボルトから850ボルトもあるという。
松島水族館で、クリスマス近くなると、電気鰻で、クリスマス
ツリーを点灯して子供達を喜ばしている。(及川源作)