「那智黒」で碁の対局を語らせる作品。那智黒石の黒石な
らば、白石は日向の蛤製の高級品。タイトル戦とも思いまし
たが、作者が歌を詠まれていた頃もあった事を思えば「徐に」
の動きから、碁をよく打ったとされる清少納言や紫式部が見
えてもきます。十二単は「正装」で、普段は袿(うちぎ)と
いう現在の着物に近い、袂が開いている物を季節によって着
分けていたようですから「春袷」に類するものもあったと思
われます。碁は黒石が先手。片方の袖口を抑えるようにして
打つ優雅な白い手首が見える句です。上々の色の対比。(H)
らば、白石は日向の蛤製の高級品。タイトル戦とも思いまし
たが、作者が歌を詠まれていた頃もあった事を思えば「徐に」
の動きから、碁をよく打ったとされる清少納言や紫式部が見
えてもきます。十二単は「正装」で、普段は袿(うちぎ)と
いう現在の着物に近い、袂が開いている物を季節によって着
分けていたようですから「春袷」に類するものもあったと思
われます。碁は黒石が先手。片方の袖口を抑えるようにして
打つ優雅な白い手首が見える句です。上々の色の対比。(H)