「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

麻酔銃撃たれし如く合歓の花 鈴木要一 「滝」7月号<滝集>

2014-07-26 04:38:50 | 日記
 夜の合歓の木が詠まれた句。小さな葉の表面を合わせるよ
うに葉を閉じ、垂れて眠っている。「麻酔銃に撃たれし如く」
という感受は、時が来れば何事もなかったように、「象潟や
雨に西施がねぶの花 松尾芭蕉」と美女の象徴となる淡紅の
刷毛のような美しい花へ繋がって行く。就眠の合歓が羨まし
かったのかもしれない。帰路ではあるが家に持ちかえる仕事
にまだ眠れない作者かも知れず・・・。(H)