「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

たんぽぽや砲台くろく海を向く 内山貴美子 「滝」7月号<瀑声集>

2014-07-19 04:33:52 | 日記
「砲台」は、海岸要塞、野戦などでの砲戦に際して、砲手、
砲、弾丸などを掩護するために、コンクリートなどで強固に
構築されたものであるという。幕末、江戸品川沖に築かれた
ものをさしていう場合がある。我が国は、海に囲まわれてい
たので、砲台は、絶対に必要だったのでしょう。あの厳めし
い「くろい砲台」に、黄色く、まるい庶民的で、明るいたん
ぽぽの季語が、開放的で実に新鮮な句になっている。たんぽ
ぽは、外来種の西洋たんぽぽが殖えつづけ、土手や道端を占
拠している。古来の日本たんぽぽが少くなくなってきている
のが淋しい。(及川源作)