「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

日脚伸ぶ鼻を寄せ合ふ牧の馬 成田清治 「滝」3月号<滝集>

2014-04-12 04:44:52 | 日記
 景で言えば、まだ冬の寒さを感じながら、日の長くなって
きたことを感じている一月下旬頃の牧場の馬の様子という事
ですが、群れる習性や「鼻」と言っても「貌」全体をさすよ
うな鼻筋。速さや力強さの象徴のような馬の存在が「日脚伸
ぶ」の「脚」の字に掛かり「走る」という期待感が待春の心
地に繋がるような気がする句だと思いました。
 昔の人は「一日に畳の目ひとつずつ日が伸びる」と言った
そうです。目に見える春への距離感を鼻を寄せて語り合う馬
のようでもあり、ほのぼのした感じもまた良いですね。(H)