「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

竜の玉七十郎の辞世の碑 鈴木幸子 「滝」3月号<滝集>

2014-04-11 05:55:46 | 日記
 手に取れば、その瑠璃色は指輪にしたいほどの美しさを持
っているけれど、日陰にひんやりと忘れられたように、細長
い葉むらの奥に実を結ぶ「竜の玉」に「七十郎の辞世の碑」
の有り様やその人柄を上手に託した句。
伊東七十郎重孝は、伊達家のお家騒動で亡くなった、学問
と武芸に秀でた忠臣で、碑は船岡城址公園の「樅ノ木は残っ
た展望デッキ」手前にあり、NHKの大河ドラマ「樅ノ木は
残った」の放映を通じてその豪勇気節に富む人柄に魅せられ
た方が建てたもので、七十郎入牢の日より食を断ち、斬首四
日前の書が刻んであります。
二物衝撃の上手な作者らしい句ですね。(H)