「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

元日の波止場に重機やすみをり 野村あい子 「滝」3月号<滝集>

2014-04-18 19:52:16 | 日記
 波止場の重機に震災復興のために働くたくさんの人を思い
ました。急がれる復興に、土曜も日曜もなく動いていた重機
の元旦が詠まれて、工事の音にかき消されていた波の音が聞
こえて来るような句だと思いました。
 先日、ニュースで、沿岸部に4基設置される仮設生コン製
造プラントが全国的な建設資材不足で完成が遅れる見通しに
なったと伝えていました。気持ち程進まない復興は、工事を
するかたにも、被災されたかたにも、歯痒くあることを知っ
たことでした。(H)


追羽根やはるかな音の返り来る 鎌形清司 「滝」3月号<滝集>

2014-04-18 04:42:14 | 日記
 「や」の切れ字が、幼い頃のお正月の景にタイムスリップ
を果たす句。♪もう幾つ寝るとお正月、お正月には凧揚げて、
独楽を廻して・・・・毬突いて、追羽根突いて遊びましょ♪
と、待ちわびたのは私も同じ。追羽根が昔の玩具として飾ら
れるだけになった現実が、少し淋しい作者でしょうか。(H)