「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

枯蘆や風の中なる男こゑ 鈴木清子 「滝」3月号<滝集>

2014-04-04 05:11:26 | 日記
 秋になると北上川の河畔の蘆原が黄金色に輝き、幻想的な
空間をつくる。川面を吹く風により、蘆が擦れ合い美しい音
色を奏でる。この音が「日本の音百選」に選ばれている。
 ここで収穫される蘆は、中尊寺の能舞台や金沢の兼六園の茶
室といった文化財の茅葺屋根に使われる最高級品なのである。
 茅葺職人達が丁寧に刈り取る。逞しい男たちの声が、蘆擦
れの風の中に響き渡り、躍動する男たちがいる。
 この蘆刈の音も合わせて「日本の音百選」なのだろう。
蘆の芽吹きを促す、蘆焼も北上川の風物詩であったが、あの
東日本大震災の後は中止されている。蘆原の復活が待たれる。
(今野紀美子)