「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

三味を持つ皮ジャンパーの男かな 近藤裕子 「滝」3月号<滝集>

2014-04-06 04:18:57 | 日記
 皮ジャンの男は何故か北の町が似合う、まして「三味を持
つ」と言うからは津軽三味線ではなかろうか。
 津軽三味線は、もと盲人の門付芸から即興で演奏されたも
のとかで、譜面はないとのこと。
 津軽三味線の音色は、地吹雪を想わされるような音、また
ある時は、雪をも溶かす炎のように強く、人間の悲運に立ち
向かう音にも聴こえます。あの「曲弾き」は個々人の命の発
露を表現しているようで、感動させられる。
 今は亡き「滝」同人の赤間白石さんの曲弾きが偲ばれます。
津軽三味線は、今若い人たちに人気があり、ロックやサンバ
と相通ずるものがあり、独特の三味線芸術に高められている。
(今野紀美子)