MOONIE'S TEA ROOM

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『有頂天家族 二代目の帰朝』

2015年06月06日 | BOOKS
『有頂天家族 二代目の帰朝』(ウチョウテンカゾク ニダイメノキチョウ)
著者:森見富美彦
出版:幻冬舎


 「阿呆なのは、ホントは人間なのだなぁ」と思う、「有頂天家族」第2幕。
 それとも、私も狸なんでしょか。


 正直に言って、第1幕よりも登場人物(登場狸&天狗?)を好きになりました。
 やっぱり美しいものには惹かれるし、無茶でも無謀でも好きになったら簡単に嫌いになれるわけじゃない……。それは人間も同じこと。

 一生懸命さと健気さが胸を打つ一方で、嫉妬や憎悪もまた生きる者の持つ力になるということにも納得してしまいます。

 母である私としては、4兄弟の兄弟愛と同じように、その父と叔父の兄弟憎悪も、天狗親子の確執の行方も気になるところです。


 とにもかくにも左京区のあっちこっちが出てくる本書。
 今は南禅寺も糺の森も鴨川も新緑の美しい季節です。
 天気の良い日にでも狸谷のお不動さんにでも行ってこようかな。


ちなみに、「帰朝 (キチョウ)」というのは「外国から日本へ帰ってくること・帰国」という意味。
 「朝 (チョウ)」に、「天子(君主)が治める国」という意味があるのです。
 「朝帰り」と文字は一緒なのに、ちょっと格調高い感じの言葉ですよね。
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