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MOONIE'S TEA ROOM

大好きな読書や言葉、料理のコトなど。

聖モルテンと「ガチョウのモルテン」

2010年11月11日 | 季節
 先日、peccaさんにいただいたコメント。
「デンマークは11月10日『mortens aften(モーテンズアフテン)モーテンさんの夕べ』といってアヒルを食べる行事があります。」(抜粋)
 これを読んで、ちょっとしたことが気になって調べてしまいました。


 ヨーロッパでは、11月11日をキリスト教の聖人マルティノ(マルティヌス)の祝日として、いろいろな行事をするところがあるようです。私たちが住んでいたドイツでも、「Martinstag=ザンクトマーティンの日」といって、学校や地域で大きな行事がありました。(ランタンを持って夜の街を行進したり、教会で宗教劇を見たり……)
 コメントの中の「mortens aften」は、つまり「聖マルティノの祝日イブ(前夜)」。前日からお祝いするのはクリスマスイブみたいですね。


 さて、ドイツではイブではなくて「ザンクトマーティンの日」当日にガチョウを食べる風習があります。(「Martinsgans=マーティンのガチョウ」なんて言葉もあるほどです)
 ここで思い出したのが『ニルスのふしぎな旅』というスウェーデンのお話。
 お話の中に、「モルテン」というガチョウが登場するのです。

 「もしかして……」と調べてみたら、スウェーデンでも「聖マルティノの祝日イブ(前夜)」にガチョウを食べる風習があるようです。そして、スウェーデン語(Svenska)では「聖マルティノ」=「聖モルテン Mårten」! (「å」は「オ」に近い発音)

 「聖モルテンの日」に食べるガチョウの名前が「モルテン」とは!
 なんていう名前をつけたんでしょうねぇ。
 もちろん、家禽なんですから食べられるのは宿命とはいえ……。
 きっと「ガチョウ=お祭りの日のご馳走!」という国で育った子どもたちと日本の子供たちでは感じ方が違うと思いますが、今回調べてみてビックリしてしまいました。



 そうそう、アニメの『ニルスのふしぎな旅』はドイツでも放送されていたんですよ。
 『アルプスの少女ハイジ』と同じで、ヨーロッパの子供たちは日本のアニメだと知らずに見ているのでしょうね。


<参考>
「St. Martin's Day- Wikipedia(英語)
「Mårtensafton - Wikipedia(スウェーデン語)」

<追記 2010.11.12>
 英語のウィキペディアなどによると、「フランス・トゥールの司教が亡くなった際、人々が人望の厚い聖マルティノを司教に望んだ。謙虚な聖マルティノは辞退し、彼を捜す市民から逃げようとガチョウの中に隠れようとしたが、ガチョウが鳴き出し見つかってしまい、司教になった。」という伝説があるようです。
 フランスの守護聖人でもある彼は、「トゥールの聖マルタン」とよばれ、「聖マルティノの祝日」は「聖マルタン祭」と呼ばれているようです。
うーむ、「マルタン・マーティン・マルチン・モルテン」などなど発音がいろいろ変わるもんですねぇ。

 そして、この時期(11月上旬)のよいお天気は「St.Martin's summer 聖マルティノの夏」というのですって。日本の「小春日和」ですね。
 どこの国でも、寒くなる季節の中の好天を愛でずにはいられないのですね。

<参考>
Martin of Tours - Wikipedia
「聖マルチノ 『教会の聖人たち(下)』」
コメント (4)
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