先日の神戸新聞に、明石公園のフジバカマが見頃を迎えたと紹介されていた。
フジバカマは秋の七草の一つだが、古くから日本人が好んだ野の花として良く知られている。
これは知らなかったが、環境省レッドリストの準絶滅危惧種に指定されているらしい。明石川沿いには沢山あるのに。
庭に咲くフジバカマは赤紫色系と白色系の二種。いずれも微かな上品な香りがする。
平安時代は、都人が刈り取って半乾きの茎葉を香りを楽しむ匂い袋として持ち歩いたとあった。
実は、フジバカマの近くで強い香りが漂ってくるので、こんなに良い匂いだったかと思いきや、直ぐ側に咲く秋バラからだった。
それでも、フジバカマに鼻を近づけると確かに上品が香りがする。盛んにハナムグリや蜜蜂が寄っている。
野々池貯水池にもフジバカマが咲いているはずだと思って、早速出かけた。実は一週間程前に確認した時は咲いていなかった。
今の時期、ツリガネニンジンがたくさん咲いており、その間にポツンポツンと咲いたフジバカマを見つけた。
なにせ庭のフジバカマに比べ背丈(25cmぐらいか)も小さく、花が咲かない限りは殆ど見つけるのは不可能。
花弁は家の庭に或るものに比べ赤みが少なく、写真では少し赤く見えるも実物の花弁はどちらかと言えば白に近い。
花は開花して数日たったと思えるので匂いを嗅いでみたが、野々池貯水池のフジバカマは匂い袋のような芳香が全くしない。
それでもハナムグリや蝶がはしっかりと花弁にくっ付いている。
フジバカマについて: 「ガーデニングの総合百科:やさしい園芸」より。
「日本、中国、朝鮮半島に分布する草花で、毎年花を咲かせる多年草です。
河原や池の側など水辺に好んで自生します。日本には奈良時代に中国から渡来し野生化したと言われています。
秋の七草のひとつであり、派手さはないがその郷愁を誘う花姿が日本人に愛され、様々な古典文学にも登場します。
それほど愛されてありふれていた植物にもかかわらず、現在では野生のものは激減しました。もともと性質は強健で丈夫な植物なので、
護岸工事や宅地造成など戦後の急激な開発により、住処を追われたことが減少した一番の理由ではないかと思います。
植物園で栽培しているものや栽培品種は比較的よく見られますが、かつてのように野原に群生してるものはほぼ見られません。
横に伸びる地下茎を持ち、そこから茎を長く伸ばして夏から初秋に淡紫色の花をたくさん咲かせますが、栽培品種は従来の野生種に比べると赤みが強い。
草丈は1m~2mになる大型の草花です。花後はタンポポのような白い綿毛をもったタネができ、風によって遠くへ運ばれます。
葉は3つに深く切れ込んでおり、生乾き状態のものは独特の甘い芳香を放つところから中国では「蘭草(らんそう)」や「香水蘭(こうすいらん)」とも呼ばれます。
具体的には桜餅の葉(塩漬けされたオオシマザクラの葉)の香りに似ておりどちらもクマリンという成分が香りの元となっています」