「FIM Junior Motocross World Champion Aiden Tijero (USA, KTM)」
13日付け Cycle News に「Team USA Finds Gold At FIM Jr. MX World Championship」があった。チェコで開催された、Juniorの国別MX選手権大会で、優勝はアメリカ。ミニクラスのモトクロス大会と言えば、有名なアメリカの「World Mini Grand Prix」や「 Loretta Lynn Motocross」のレースがある。しかし、ミニMXの世界選手権大会とは初耳だ。FIM Junior Motocross World Championshipは65cc、85cc、125ccで構成されている。ミニモトクロスの世界大会を開催せねばならないほど、ミニクラスは活況なのだろうか。
「65ccチャンピオン:Aiden Tijero (USA, KTM)」
「優勝チーム:アメリカ」
で、結果は下記の通り。
「65cc Overall/Championship top ten: 」
1. Aiden Tijero (USA, KTM) 2. Anton Nagy (SWE, KTM) 3. Petr Polak (CZE, KTM) 4. Raivo Dankers (NED, KTM) 5. Jo Shimoda (JPN, KTM) 6. Rene Hofer (AUT, KTM) 7. Hardy Munoz (CHL, KTM) 8. Maxim Kraev (RUS, KTM) 9. Timur Petrashin (RUS, KTM) 10. Daniel Stehlik (CZE, KTM)
「85cc Overall/Championship top ten: 」
1. Conrad Mewse (GBR, KTM) 2. Hunter Lawrence (AUS, KTM) 3. Jakub Teresak (CZE, KTM) 4. Chase Sexton (USA, Yamaha) 5. Glen Meier (DEN, KTM) 6. Jorge Prado Garcia (ESP, KTM) 7. Gianluca Facchetti (ITA, Suzuki) 8. Sean Cantrell (USA, Kawasaki) 9. Tomás Kohut (SVK, KTM) 10. Filippo Grigoletto (ITA, KTM)
結果を見て、最も驚嘆したのはKTMの台頭。数年前からミニモトクロスの分野にKTMが進出しているとの情報はアメリカのレース結果から分かっていた。しかし、これ程とは思いもしなかった。既に、モトクロス世界選手権では、450cc/250ccともKTMがチャンピオンマシンとして君臨し続けているので、KTMの優秀性とサポート体制が充実していることは分かっている。各国のチャンピオンクラスライダーが選ぶマシンが、65クラスでは全でKTM、85クラスも10台中7台がKTM車だ。これが現代のMX世界市場のごく普通の有り様なのだろうか。多様なwebで報道されているのは、市場の頂点レースが殆どで、MX市場は今だ日本車がほぼ独占しているものと思っていたが、決してそうでないようだ。 Junior Motocross World Championshipの結果は、市場の大部分を占めるアマチュアライダーのオフロード市場を、KTM等の欧州勢がかなりの勢いでこの市場を浸食していると言う証左だろうか。
★二輪の大市場、アメリカのオフロード市場で、数年前から「草の根活動」を着実に展開し、モトクロスの面白さを普及している企業がKTM。多くの日本企業がアメリカのオフロード市場の「草の根活動」から撤退して久しいが、そんな中にあって、KTM社は地道な活動を展開しオフロード愛好家からの信頼を得つつある。「KTM Ready to Race」単純明快なコンセプトが、アメリカのオフ市場を席巻する日が近い事を予感させると昨年の当ブログにも書いた。世界のトップアマチュアが勝つために選ぶマシンがKTMだとすれば、彼らがオピニオンリーダーとなって市場を引っ張るので、日本メーカにとってはその脅威が現実になっているかもしれない。(別件だがKTMについて:KTMの大株主はインドのバジャージ社。BMWの傘下にあった、ハスクバーナ社をKTM社のCEOが最近買収)
かって、日本メーカーがオフロード市場に進出する際、最も大事にした購買層はキッズ市場、各社ともキャンペーンを組んでこの層のユーザーを大事に育ててきた。だいぶ昔の話しだが、アメリカの訴訟問題が加熱した時期に、訴訟問題を恐れた企業は子供向けモトクロスやオフロード市場から撤退した。唯一、カワサキだけがTeam Green組織を維持し続け、マシンも提供し続けることで、カワサキは65、85だけじゃなく125、250に乗る多くのキッズたちを支援してきた。それによって、キッズたちもカワサキライダーである誇りと忠誠心を持ってくれるようになってきた。だが今、KTMが代替して多くのキッズユーザーをサポートしている。
★アメリカはオフロードの大市場、その原点を、前出のWorld Mini Grand Prixでも書いたが、全米には、多くの市民がオフロードを楽しむエリアが幾つもある。現地に行くと、そこには数台のキャンピングカーを中心に、父親と少年少女達がモータサイクルや四輪バギー、VWの改造車でビュンビュンと走リ回っている。側で、母親はキャンピングカーに張ったテントの下で昼食のサンドウィッチを準備をしていて、楽しそうな家族的な風景があった。どちらかと言えば、キャンピング地の近くは、リタイヤした老人達が余生を過ごす場所でもあるが、泊ったホテルの食堂は家族が楽しむ場所でもあった。そこには、暴走族まがいの人達は一切おらず、あくまでも家族単位の行動で、アメリカの週末の過ごし方の一つを垣間見る事が出来た。アメリカ人は長い開拓移民時代に、家族が一つの単位となり、幌馬車に揺られて 新天地を求めて歩み、永住の地にたどり着いた歴史がある。その頃の開拓民にとっては「家族」が唯一の財産であった時代の名残が、いまも脈々と受け続けられているのだろうと思った。開拓時代の馬が現代は単にモーターサイクルに替わっただけなのだろう。一家の宝である自分の子供が英雄になった、この瞬間瞬間を家族は大事にしていくのだろう。一時期、アメリカの家庭もドラッグ等の家庭内暴力問題が深刻な課題としてクローズアップした時期があった。その時期、家庭内のコミニュケーションツールとして活用された一つがMXだったと聞いたことがある。
一方、Pro CircuitのオーナーMitch Paytonは、モトクロスのファミリーチームにアドバイスをと質問を受け、こんなことを言っている。「まずは楽しむこと。12歳の子供に夢を背負わしちゃいけない。国内転戦とか頑張り過ぎるのもどうかと。まずは自分のエリアで頑張るといい。 多くのファミリーがでっかいモーターホームを買って全米を転戦してる。だけど普通のバンにバイクを積んで、家族でローカルレースを楽しむのもいいじゃないか。 レースだからそりゃ誰かが優勝するんだけどさ、やるだけやって楽しんで6位でも最高じゃないですか。全然恥ずかしいことなんかじゃないよ。」
13日付け Cycle News に「Team USA Finds Gold At FIM Jr. MX World Championship」があった。チェコで開催された、Juniorの国別MX選手権大会で、優勝はアメリカ。ミニクラスのモトクロス大会と言えば、有名なアメリカの「World Mini Grand Prix」や「 Loretta Lynn Motocross」のレースがある。しかし、ミニMXの世界選手権大会とは初耳だ。FIM Junior Motocross World Championshipは65cc、85cc、125ccで構成されている。ミニモトクロスの世界大会を開催せねばならないほど、ミニクラスは活況なのだろうか。
「65ccチャンピオン:Aiden Tijero (USA, KTM)」
「優勝チーム:アメリカ」
で、結果は下記の通り。
「65cc Overall/Championship top ten: 」
1. Aiden Tijero (USA, KTM) 2. Anton Nagy (SWE, KTM) 3. Petr Polak (CZE, KTM) 4. Raivo Dankers (NED, KTM) 5. Jo Shimoda (JPN, KTM) 6. Rene Hofer (AUT, KTM) 7. Hardy Munoz (CHL, KTM) 8. Maxim Kraev (RUS, KTM) 9. Timur Petrashin (RUS, KTM) 10. Daniel Stehlik (CZE, KTM)
「85cc Overall/Championship top ten: 」
1. Conrad Mewse (GBR, KTM) 2. Hunter Lawrence (AUS, KTM) 3. Jakub Teresak (CZE, KTM) 4. Chase Sexton (USA, Yamaha) 5. Glen Meier (DEN, KTM) 6. Jorge Prado Garcia (ESP, KTM) 7. Gianluca Facchetti (ITA, Suzuki) 8. Sean Cantrell (USA, Kawasaki) 9. Tomás Kohut (SVK, KTM) 10. Filippo Grigoletto (ITA, KTM)
結果を見て、最も驚嘆したのはKTMの台頭。数年前からミニモトクロスの分野にKTMが進出しているとの情報はアメリカのレース結果から分かっていた。しかし、これ程とは思いもしなかった。既に、モトクロス世界選手権では、450cc/250ccともKTMがチャンピオンマシンとして君臨し続けているので、KTMの優秀性とサポート体制が充実していることは分かっている。各国のチャンピオンクラスライダーが選ぶマシンが、65クラスでは全でKTM、85クラスも10台中7台がKTM車だ。これが現代のMX世界市場のごく普通の有り様なのだろうか。多様なwebで報道されているのは、市場の頂点レースが殆どで、MX市場は今だ日本車がほぼ独占しているものと思っていたが、決してそうでないようだ。 Junior Motocross World Championshipの結果は、市場の大部分を占めるアマチュアライダーのオフロード市場を、KTM等の欧州勢がかなりの勢いでこの市場を浸食していると言う証左だろうか。
★二輪の大市場、アメリカのオフロード市場で、数年前から「草の根活動」を着実に展開し、モトクロスの面白さを普及している企業がKTM。多くの日本企業がアメリカのオフロード市場の「草の根活動」から撤退して久しいが、そんな中にあって、KTM社は地道な活動を展開しオフロード愛好家からの信頼を得つつある。「KTM Ready to Race」単純明快なコンセプトが、アメリカのオフ市場を席巻する日が近い事を予感させると昨年の当ブログにも書いた。世界のトップアマチュアが勝つために選ぶマシンがKTMだとすれば、彼らがオピニオンリーダーとなって市場を引っ張るので、日本メーカにとってはその脅威が現実になっているかもしれない。(別件だがKTMについて:KTMの大株主はインドのバジャージ社。BMWの傘下にあった、ハスクバーナ社をKTM社のCEOが最近買収)
かって、日本メーカーがオフロード市場に進出する際、最も大事にした購買層はキッズ市場、各社ともキャンペーンを組んでこの層のユーザーを大事に育ててきた。だいぶ昔の話しだが、アメリカの訴訟問題が加熱した時期に、訴訟問題を恐れた企業は子供向けモトクロスやオフロード市場から撤退した。唯一、カワサキだけがTeam Green組織を維持し続け、マシンも提供し続けることで、カワサキは65、85だけじゃなく125、250に乗る多くのキッズたちを支援してきた。それによって、キッズたちもカワサキライダーである誇りと忠誠心を持ってくれるようになってきた。だが今、KTMが代替して多くのキッズユーザーをサポートしている。
★アメリカはオフロードの大市場、その原点を、前出のWorld Mini Grand Prixでも書いたが、全米には、多くの市民がオフロードを楽しむエリアが幾つもある。現地に行くと、そこには数台のキャンピングカーを中心に、父親と少年少女達がモータサイクルや四輪バギー、VWの改造車でビュンビュンと走リ回っている。側で、母親はキャンピングカーに張ったテントの下で昼食のサンドウィッチを準備をしていて、楽しそうな家族的な風景があった。どちらかと言えば、キャンピング地の近くは、リタイヤした老人達が余生を過ごす場所でもあるが、泊ったホテルの食堂は家族が楽しむ場所でもあった。そこには、暴走族まがいの人達は一切おらず、あくまでも家族単位の行動で、アメリカの週末の過ごし方の一つを垣間見る事が出来た。アメリカ人は長い開拓移民時代に、家族が一つの単位となり、幌馬車に揺られて 新天地を求めて歩み、永住の地にたどり着いた歴史がある。その頃の開拓民にとっては「家族」が唯一の財産であった時代の名残が、いまも脈々と受け続けられているのだろうと思った。開拓時代の馬が現代は単にモーターサイクルに替わっただけなのだろう。一家の宝である自分の子供が英雄になった、この瞬間瞬間を家族は大事にしていくのだろう。一時期、アメリカの家庭もドラッグ等の家庭内暴力問題が深刻な課題としてクローズアップした時期があった。その時期、家庭内のコミニュケーションツールとして活用された一つがMXだったと聞いたことがある。
一方、Pro CircuitのオーナーMitch Paytonは、モトクロスのファミリーチームにアドバイスをと質問を受け、こんなことを言っている。「まずは楽しむこと。12歳の子供に夢を背負わしちゃいけない。国内転戦とか頑張り過ぎるのもどうかと。まずは自分のエリアで頑張るといい。 多くのファミリーがでっかいモーターホームを買って全米を転戦してる。だけど普通のバンにバイクを積んで、家族でローカルレースを楽しむのもいいじゃないか。 レースだからそりゃ誰かが優勝するんだけどさ、やるだけやって楽しんで6位でも最高じゃないですか。全然恥ずかしいことなんかじゃないよ。」