5月の連休、連休の終わりには大雨も降ったので野々池貯水池に上がると、冬の間は一面茶色だった土手は新緑の若葉を付けた楠の大木が生き生きとしている。この時期の野々池貯水池では、ツツジの花は既に盛りを過ぎ、びっしりと白い花を付けていた数本のグミの樹も花が落ちた。このグミの満開時は一種独特の匂いがあたり一面に漂よっていた。この匂い、青くさい匂いは虫を誘うためかと思ってジーットみるも、虫は寄ってこない。また、藤棚の藤の花も極小の豆に変身した。ジョギングコース沿いに咲いていた黄色の「ミヤコグサ」の花も心持ち少なくなったように思うが、黄色だけによく目立つ。これから目立ちそうなのは「チガヤ」で、まだ茶色の穂が主だが白い穂がで始めている。女房が「チガヤを噛むと甘みがある」と言うが、いまだ試したことなし。間もなくこの辺一帯が風に揺れる猫じゃらしみたいな白い穂が見れるはず。
黄色の「ミヤコグサ」と白い「チガヤ」
そんな野々池貯水池に初夏の花、紫蘭が咲き始めた。かなり前からポつポツと増えつつあった野々池貯水池の紫蘭だが、今年は昨年よりかなり増えている。一時期花が少なくなっていたが、2,3年前から復調し南面の土手一面に一杯咲いている。遠目に見ると、赤い花が咲いている、それだけの花だが、写真を撮るべく近くによって花姿を繁々とみると中々見栄えがするので気に入っている。
「イキシヤ」も咲いている。
針金のように細くしなやかな茎に優美な花がびっしりと咲き、それが風に当たりゆらゆら揺れている。何気なく通り過ぎてしまう場所に咲いて、しかも野々池貯水池の外周路から花の先端がわずかに見える程度なので、殆どの人は気付くことはないと思う。つぼみは米粒を大きくした形で、咲くとかすかに香る。野々池貯水池に咲く、好きな花の一つでもある。この花が咲き始めると初夏も近い、そうすると、一年は早いな~と本当にそう思う。