野々池周辺散策

野々池貯水池周辺をウォーキングしながら気がついた事や思い出した事柄をメモします。

納得、次期戦闘機

2020-07-31 06:20:33 | その他
7月29日の日経記事「次期戦闘機、日本主導に 政府、国内1社と単独契約へ」とあった。
「防衛省は2035年に配備予定の次期戦闘機の開発で日本企業1社と単独契約する方式を採用する。月内にも公表する。1社が設計や開発・製造の全体を統括し、共同開発に参加する日米の企業と調整する。試作機を除けば自衛隊の戦闘機では異例の契約方式で、日本企業の開発・製造能力の向上につながる」として「次期戦闘機は35年ごろに退役を始める「F2」の後継で、21年度予算に開発費を計上して24年度に試作機をつくる。艦船や地上への攻撃、空中戦の全てに対応しレーダーで探知しにくいステルス性も備える。90機程度を製造し、調達までの事業規模は5兆円超になる」。 現航空自衛隊の最新鋭機F35は米国製だが、基幹部分の技術は非開示で、日本側は改修も自由にできないとある。そして、戦闘システムは米国側の都合で更新され、日本側には「運用の自由度が低い」「日本の防衛産業に技術が蓄積されない」との不満があるらしいとも書いてあった。
     「7月29日、日経」 
ミサイルが飛び交うと推定される次世代型戦争でも、局地戦は戦闘機同士の戦いになると推定されるが、その戦闘機の基幹部分技術が非開示、日本側は改修も自由にできないとなると日本の防衛戦略思想は米国次第となり、しかも戦闘システムは米国側の都合で更新されるとなれば、空自が持つべき戦闘機本来の機能は多いに制約される恐れがある、と思う。だから、日本の航空部隊の最前線が日本独自の戦略と技術を持ちたいとするのは理解できるし納得できる。日中もし戦わばの想定での議論の中に、国家の存亡を賭けた戦いになれば核戦力を持たない日本はあっという間に負けるが、尖閣諸島の沖合だけで展開される局地戦なら日本が勝つ可能性があるとあった。その局地戦を局地のみに終了させるには、敵より優れた戦力を持つしか方法はないとある。敵に勝るに足る戦力は戦争回避のためにも絶対に必要だと思うし、結局、「敵に攻撃を断念させるには、日本にも一定の攻撃能力があることを認識させなければならない」と言うのは、まさに正論だと思う。

現代の防空能力での戦闘機はステルス性を持つ「第5世代戦闘機」が主流で、その代表で最強戦闘機は米軍のF22で、各国はF22を保有する事を希望していたが、米国が国外に出す事を拒否したので、それに変わるF35が現代西欧諸国国防の主力戦闘機になっている。ステルス戦闘機の戦闘能力の凄さは、米国がアラスカで行った模擬空中戦で、世界最強のステルス戦闘機F22の1機で米国空軍の主力戦闘機F15等の戦闘機144機を撃墜し、F22は一機も撃ち落されなかったという。また、空自のF15とF4は07年、沖縄県周辺で行われた米空軍の最新鋭ステルス機F22との戦闘訓練で、相手を発見する前に攻撃され完敗し、空自幹部は「大人と赤ん坊ほどの違いだった」と評価したと、かなり前の記事にあったのを読んだことがある。日本での、ステルス機能をもつ日本の実験機、国産初のステルス機”X-2”「心神」が報道に公開されたのは2016年。X-2は「第5世代戦闘機」と呼ばれる現在のステルス機の上を行く、「第6世代戦闘機」のカウンターステルス機の礎にすることを目指していると、当時の報道にあった。

国産戦闘機の開発の是非については色んな意見が報道されており、国産化は無駄とする意見もあるが、「失敗の本質」と言う本に、技術には兵器体系というハードウェアのみならず、組織が蓄積した知識・技能等のソフトウェアの体系の構築が必要と指摘している。組織の知識・技能は、軍事組織でいえば、組織が蓄積してきた戦闘に関するノウハウと言っても良い。そして、組織としての行動は個人間の相互作用から生まれてくるとある。だから、戦争の最重要技術とノウハウは、潜水艦もしかり、やはり国内に独自蓄積されるべきものと思う。

昔、岐阜にある実験航空隊の飛行場で、F104や当時世界最強でベトナム戦争にも投入されたF4Eがタッチ&ゴーを繰返している光景を真下で何度も見た。F4EJが離陸後アフターバーナーを点火し空中を突き進んで飛んでいく様は、ドォウーン言うすごい音とともに腹にまともに響いてきた。実際の戦闘機をまじかに見ると、この戦闘機が日本の空を防衛し、他国からの侵犯を防いでいるという実感を肌で感じ取ること出来る。ちょうど、海外で日章旗をみて安心できる心情に良く似ており、とにかく誇りに思えてくるから不思議だ。新聞に日本の戦闘機のスクランブル発進回数が公表されており、その回数も無視できぬ程多い。現実の世界は、強い国のみが強い発言力を持ち、且つ自国を防衛できる世界なんだと思わざるを得ない。とかく外交ヘタの日本と言われているが、世界有数の軍備機能があるからこそ諸外国も日本を無視できず、無言の交渉力となっていると思う。
コメント
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