米国の第47代大統領に共和党のドナルド・トランプ氏が就任すると、間をおかず次々と大統領令を発令している。世界最大の経済国家で世界最強の軍事力をもつ大統領が事前の公約通り約束したを実行しており、こんな世界のトップを見たことがない。世界の頂点の立つアメリカ大統領が日本、そして世界にどのような影響を与えるのか日本のマスコミもその言動を逐次報道している。NHKも都度速報を出しているが、例えば「トランプ新大統領始動 大統領令次々署名 パリ協定離脱など」と報道している。

そのトランプが共和党大統領候補指名受諾時に演説した項目は6点あって、次の3点も今回、大統領令が発令された。
④「(化石燃料を)掘って掘って掘りまくる」
⑤「違法な移民を締め出す」
⑥「就任したら電気自動車推進政策を終わらせる」
④「(化石燃料を)掘って掘って掘りまくる」
⑤「違法な移民を締め出す」
⑥「就任したら電気自動車推進政策を終わらせる」
は
▽ 国家エネルギー緊急事態の宣言
▽ 国境管理の厳格化
▽ 出生地主義を見直し
▽ 移民の受け入れプログラムの見直し
▽ グリーン・ニューディール政策の終了と“EVの義務化”の撤廃など
▽ 国境管理の厳格化
▽ 出生地主義を見直し
▽ 移民の受け入れプログラムの見直し
▽ グリーン・ニューディール政策の終了と“EVの義務化”の撤廃など
は大統領令として発令された。
この意味するところを、トランプが候補時、評論家の池田信夫さんが分かりやく解説していた。
● アメリカは世界最大の資源輸出国になったが、バイデン政権は化石燃料を廃止してエネルギー供給を削減し、インフレをまねいた。これをリセットし、アメリカの製造業を復活させる。
● 共和党は、原子力を含むあらゆる資源からのエネルギー生産を解き放ち、インフレを即座に抑制し、信頼性が高く、豊富で手頃な価格のエネルギーをアメリカの家庭、自動車、工場に供給する。
●「グリーン・ニューディール」とは、バイデン政権の化石燃料規制や補助金のことだ。具体的には「電気自動車の義務づけなどコストのかかる規制を廃止する」。パリ協定 から離脱する(つまり1.5℃目標も無視する)。
● エネルギー危機で化石燃料を減らすのは非常識。世界のエネルギー供給が危機的な状況にあるとき、化石燃料をなくせというバイデン政権は非常識である。まずエネルギーを十分供給するために化石燃料の供給を増やし、原子力を含む資源を開発することが最優先である。「脱炭素化」も「気候変動」など、そんな遠い未来の話より、今のアメリカ人の生活と製造業の復活が大事だ。少なくともトランプ政権の4年間は、アメリカは化石燃料の採掘を増やし、世界に輸出する。
●「2050年カーボンニュートラル」を棚上げするとき。これが新しい常識である。トランプの政策は孤立主義や保護主義の色彩が強く問題が多いが、エネルギー政策についてはEUの「2050年カーボンニュートラル」という目標が非常識である。日本政府は世界の空気を読んでいるつもりだろうが、これはEUの政治的スローガンにすぎない。化石燃料をすべて廃止すると、人類は莫大なコストを負担しなければならない。それは世界のGDPの4%であり、そのほとんどは先進国が負担するので、日本の負担は10%を超えるだろう。毎年60兆円を25年後の気温を0.01℃下げるために使うのか? そういう費用対効果をまったく考えないで進めてきた日本のエネルギー政策も非常識であり、すでに破綻している、と書いている。
トランプ大統領はアメリカ国民が強く要望しているインフレに対処すべく、まずはエネルギーコストを下げる事を優先する。コストの安い石油や石炭を掘りまくり、かつ政府の補助金つまり税金の補助でしか成立しないEV等のカーボンニュートラル政策もやめると言う。世界経済を牽引するアメリカはその政策を大きく変えたのだ。再エネを掲げた欧州のスローガンはドイツを筆頭に既に行き詰まった 。日本も米国同様に物価高に困っているのだから日本も常識に立ち返るべきだ。2050年カーボンニュートラルという非常識な国際公約を即棚上げし、石炭火力を復活させ、原発の再稼動を進めて安価なエネルギー供給を増やすべきだ。安価なエネルギーの供給こそが日本経済を復活させ、インフレを退治する策であり、日本が見習うべきなのは衰退するEUではなく、超大国アメリカである。
なにせトランプ大統領の政策は先が読めないとする報道が不安を煽っていたが、報道でみると主義主張にブレがなく実に面白い。色んな論調があってトランプ大統領の言動は史上最悪の大統領だとする報道も多々あるが、そんな大統領がアメリカ有権者半分の支持を集めた。日本を含め世界各国が手足を出せずにいる、覇権欲を強める中国に対し、唯一、中国を抑えるべく具体的行動に移したのは米国のトランプ大統領だけ。理想論ばかりの民主党は何もできず中国の台頭を許し、世界のリーダーを放棄した。しかしだ、漫画みたいで、「子供っぽいアメリカ大統領」というトランプ大統領の評価報道もあるが、中国の習近平やロシヤのプーチン大統領とさしで話が出来るのがトランプ大統領だと言うのが米国民の一般認識だそうだ。トランプが大統領に就任するや否やガザも停戦に動き、この22日もトランプ大統領はロシアが侵略しているウクライナでの戦争を巡り「今すぐ和解し、ばかげた戦争をやめろ」とロシアに迫り、「取引が成立しなければ、ロシアが販売する物品に高水準の関税や制裁を科すしかなくなる」として早期停戦を求めたとの報道があった。
非難ごうごうで何と言われようとも、トランプ大統領は世界最強国米国の大統領であり、ドラえもんのジャイアンよろしく、「おまえのものはおれのもの、おれのものもおれのもの」によく似た発言を繰り返すが、本当のジャイアンは仲間内を非常に大事にするので、トランプ大統領もよく似た性格の様にも思えるからこそ、安全保障や経済を米国に大きく頼らざるを得ない日本は、トランプ大統領の最も近くにあるべきだし、日本が見習うべきなのは衰退する理想スローガンだらけのEUではなく、超大国アメリカの行動である、と思う。再び、超大国アメリカは躍動し始めた。