しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

善通寺陸軍第十一師団跡

2021年02月06日 | 「戦争遺跡」を訪ねる
場所・香川県善通寺市 陸上自衛隊駐屯地
訪問日・2014年2月22日   


善通寺の象徴。陸軍11師団と善通寺五重塔。





「しらべる戦争遺跡の事典」 柏書房 2002年発行

善通寺陸軍第11師団跡

善通寺市は空海の生誕院として知られる名刹善通寺を中心に、
近世以降は巡礼が行きかう門前町として静かな繁栄を保ってきたところであった。
しかしながら近代日本の富国強兵による膨張路線は、善通寺村をして軍都へと大変貌を遂げさせるのである。

第11師団は、日清戦争後の明治29年新設師団として、四国全域を管区に編成された。
適地として善通寺が選ばれたが、県都あるいは城下町ではない一村に師団司令部が設置されるのは異例であった。
この要因には、
広い敷地と豊富な地下水、丸亀・多度津などの良港が近いこと、
高知、徳島、松山の各連隊への交通の至便さなどが挙げられている。

第11師団は、1900年の義和団事件に一個大隊を出兵させたのを端緒に日露戦争、シベリア出兵、
日中戦争からアジア太平洋戦争へと出兵を繰り返すのである。

戦後、師団敷地は市役所や自衛隊、大学などに利用が図られてきた。
当時の地割はもとより建造物も良好な状態で残っているものが多い。
筆山北嶺には遊郭跡も認められる。










戦闘機や戦車を青空展示。









師団司令部は建物内が一般公開。

初代師団長・乃木希典中将が座った机がそのまま残っている。







赤煉瓦が美しい兵器庫跡





善通寺は讃岐平野の田園都市で、観光地金毘羅さんに近接している。
金毘羅詣りに併せての街歩きも楽しい。




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