しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

軍国美談・一太郎やあい像

2021年01月30日 | 「戦争遺跡」を訪ねる
場所・香川県仲多度郡多度津町   桃陵公園
訪問日・2014年4月2日

ここは香川県多度津町の桜の名所「桃陵公園」。


(後方は少林寺)





公園は小高い丘にあり多度津港が見える。
この港には日露戦争時に、ある若者の兵士と母親の話がある。






尋常小学校国語読本巻七
第十三 
一太郎やあい

日露戦争当時のことである。軍人をのせた御用船が今しも港を出ようとした其の時、
「ごめんなさい。ごめんなさい。」
といひいひ、見送人をおし分けて、前へ出るおばあさんがある。年は六十四五でもあらうか、腰に小さなふろしきづつみを結びつけてゐる、御用船をみつけると、
「一太郎やあい。其の船に乗ってゐるなら、鉄砲を上げろ。」
とさけんだ。すると甲板の上で鉄砲を上げたものがある。
おばあさんは又さけんだ。
「うちのことはしんぱいするな。天子様によく御ほうこうするだよ。わかったらもう一度鉄砲を上げろ。」
すると、又鉄砲を上げたのがかすかに見えた。おばあさんは「やれやれ。」といって、其所へすわった。
聞けば今朝から五里の山道を、わらじがけで急いできたのださうだ。
郡長をはじめ、見送の人々はみんな泣いたといふことである。






いかにも創作された、というか創作され過ぎた感があるお話。

生前の父「作り話じゃ」と、ひとこと。







銅像は昭和6年に建ち、昭和16年に供出。翌年コンクリートで再建されたもの。







コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 軍神・広瀬中佐像 | トップ | 大平山砲台跡地(下蒲刈) »

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
笠岡港から金比羅参り (killy)
2021-01-30 20:52:44
小学生のころ、笠岡港から金比羅参りをするたびに祖母から「一太郎やーい」を聞かされました。
返信する

コメントを投稿

「戦争遺跡」を訪ねる」カテゴリの最新記事