しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

茂平の暮らし・醤油づくり

2020年07月11日 | 父の話
管理人が小学校の1~2年生ころまで、家の土間に木製の醤油を絞る道具があった。
ぽったん・ぽったん、醤油が落ちていた。
自給自足の生活だった。

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父の話 談・2002.5.3 
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(醤油作りをやめたのは?)

父・めんどうなんじゃ。
小麦や大豆を植えとききゃなあいけん。
うむして搗かにゃあいけん

母・麹がええようにできんのじゃ。


(麹づくり)

母・今は部屋があり、一定の温度を保てるが・・、
その頃はない。

それで家でつくりょうた。
彼岸をさかいにつくりょうた。

彼岸ごろになりゃあ、どことも味噌の香りがしょうた。
焚くから匂いがしょうた。
「豆のかざがすらあ」ようた。

麹に塩と水を加えてまぜくってから、一年寝かす。
せいから絞る。

辛い醤油ができるんじゃ。
それから、豆(麹が)がもったいないゆうて
塩と水を入れて「二番醤油」を絞るんじゃ。
汁だけはできる。

父・一番醤油はおいしかったが二番醤油は辛いばあじゃった。



母・時候が寒ぅちゃあいけん、炬燵でできん。
早くつくると、暑すぎて腐ってしまう。
(母の実家の祖母)トノおばあさんは、麹づくりがうまかった。
村でも有名じゃった。
見てきれいじゃった、ええ色をしとった。
トノおばあさんの麹は米で作るのも、麦でつくるのもきれいじゃった。(味もよかった)
ウリやナスビや人参、ゴボウを使うて、味噌漬けをつくりょうた。

一度作った麹を見に来て、黒い麹で「どこにこんなんがあるんじゃ」
ほれで、おばあさんにちいと習うてきた。

温度がむずかしかった。



そしたら鴨方の方に麹をつくるところができた。
この方からも鴨方に持っていく、ええ味噌ができる。
ヒシオもいいのができる。


(鍬ぞめ)

正月にゃあ甘酒を祀らにゃあならん。
夜灯のおねえさん方から(隣村の野々浜)、ぜっぴつなぎに来ょうた。
米を出しゃあ、麹を一升もって来てくりょうた。

正月11日にゃあ、鍬に祀らにゃいけん。
1月11日の「鍬ぞめ」。
この日にゃあ、鍬を全部洗うて、庭に並びょうた。

コメント
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