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教育の場では、食べ物が出来るプロセスをきちんと教えるべきだ!

2007年08月26日 | たばこ弁護の諸説紹介
◎ 多分、今の小・中学生に「どのようにして牛肉は食卓まで届くのか」について、現場見学を含めた教育をほどこせば、半分以上の子どもたちが牛肉を拒否することだろう。さらに、地球環境問題や食糧問題の観点から、ヤギや羊に比べて、牛肉がいかに不効率的な食べ物なのかを論じたら、ことの重大さはまさしく世界全体のテーマになるはずだ。
それとは逆に、食肉が食卓に届くまでのプロセスを教えず、目に見えるもの、とりわけ喫煙と健康問題については、大々的に公教育のカリキュラムへ組み入れているのが、何やら胡散臭い気がするのである。先進国を中心に、飢餓に苦しむ人たちが十分に生存できるだけの穀物や魚類を牛に与え、先進国の人たちに安く食べてもらうために、牛たちはひたすら食べ続け、自らを商品化していくのだ。

◎ なぜ、玉子丼よりも牛丼の方が安くなってしまったのか。その背景には、怖い話がたくさん横たわっているに違いない。牛に限らず、鳥、羊なども若いものが喜ばれ、獣肉特有の臭いは消去されてから、脂肪たっぷりの食肉として、毎日毎日、大量に消費されているのだ。
投資効果の最大化は、酪農や肥育農家の経営でも強く求められ、草をたっぷりと食べ、牧場でのんびりと反芻して乳を出したり、一定期間を要する中で肥育牛として育ったりすることが、容易に許されないシステムになっている。
大規模経営でなければ成り立たず、当然のごとく病気などのリスクやロスも発生し、損害を回収するためのシステムも確立していた。それは、いわゆる死体や骨の売買ルートであり、世界的な骨粉飼料の市場も形成されていたのである。

◎ 私はベジタリアンではないけれど、肉はそんなに毎日食べたいとは思わないし、とくに牛肉は脂肪が強すぎるので、余り好きではない。少年時代の鳥肉は旨かった。祖父が鉄砲で討ち取った山鳥、コジケイ、家で飼っていたチャボなどは、鍋の表面で黄色い油が丸く立っていたし、獣の臭いがしたものだ。
ところで、柔らかい肉が美味しいとされるけれど、私はそれも気に入らない。骨近辺の鳥の肉は、すんなり骨と離れるものではなく、肉片の一つひとつの味も濃厚であったような記憶がある。今の鳥肉は、腑抜け、味なし、臭いなしという感じはするけれど、牛肉よりは好んで食べる。

◎ 話が冗長になってきたようだから、いきなり結論づけたい。要するに、「少年・少女たちよ、きみたちがたばこを吸うか吸わないかは、本人の選択である。さらに、教師たちがデータを示し、いかに受動喫煙がよくないのかを教えてくれるけれど、もっと大切な毎日口にしている食べ物について、無防備にしているきみたちよ、そこをまずは疑ってみるべきではないのか」と言いたかったのである。

※ 2001年9月24日に書いたものを2007年8月23日に加筆修正した。
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『子どもが子どもだったころ』(毛利子来・橋本治共著)について

2007年08月26日 | 小説・映画等に出てくる「たばこ」
◎ 集英社文庫『子どもが子どもだったころ』の23ページに、たばこに関して胸をうつ描写があったので紹介しておきたい。たばこが備えている「区切りをつける」機能や「合図」を意味する記号の役割について、ほのぼのとした日常的なシーンなのであるが、その後に母と父を相次いで喪うことになる。だから、かえってこのシーンが本書を出版した当時、69歳であった著者の心の中に強く残り続けているのだろう。

---- 八畳ほどの畳の部屋。母、父、姉、ぼくと、川の字になって寝るのが習慣だった。病気の母は物音をたてない。もう女学生の姉も静かだ。父は、寝付く前に、腹這いになってタバコをやる。ぼくは、いつも、 豆電灯に薄暗い天井を見つめて、父の様子をうかがっている。
タバコが灰皿にもみ消され、ドシンと寝返りをうつ音がする。もうすぐだ!
ぼくは、掛け布団をまくって、起きあがる準備をする。ややあって、「ぼう、こい」。声がかかる。いまやおそしと、ぼくは跳ね起き、姉をまたいで、父の布団にもぐり込む。父は、ぼくの頭の下に右腕を入れて、枕にしてくれる。左腕で、枕頭のスタンドを灯し、新聞か雑誌を読み始める。
ぼくは、布団の中で、父にへばりつき、匂いを嗅ぐ。寝巻きをはだけ、お腹をなする。父のお腹は丸い。布袋さんみたいに、でっぷりと肥っている。撫で回すと、とても気持ちがいい。父は、されるままでいてくれる。ぼくは、安心して、まどろむ。

◎ 私にも同じような記憶があった。ただし、いま思い起こせるのは母と祖母に関することである。そのことについては、「母の赤いネルの腰巻」「祖母の涼しいわきの下」などのタイトルで、いずれはエッセイにしてみたい。(Monday.24.September.2001)
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