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たばこ自販機は2008年から成人識別する

2007年08月13日 | たばこをめぐる見聞記
(1988年当時の思い出話の続きである)

● 西荻の駅前から少し離れた通りに、「ミニ看板が二つとも盗まれたよ」「キャスターマイルド、加賀丈史のポスターが欲しいと言ってきた変な男の子がいるの」と連絡してきた販売店さんがあり、そこへ立ち寄ることにした。
青色のMILDSEVEN、グリーンのSOMETIME、赤のCABINを組み合わせ、黒ゴム製の枠でくっきりと固定してあるミニ看板は、たしかに「かっこいい!」という見方もできる。看板蒐集マニアという人がいるとしたら、ペンチでチェーンを切って持ち帰ったのか外国たばこメーカーの人が嫌がらせで、はぎ取っていったのかも知れない(たばこの自由化当初は、自社製品のポスターやステッカーをめぐって、し烈な位置取りや貼り替え合戦があったらしい)。

● 同行してくれた営業員さんは、営業用軽車から看板一式と折りたたみ椅子を、手品の箱の中から取り出すように持ってきて、ピカピカの看板をかけ、ちょっとやそっとじゃ取り外せないように、チェーンと針金でぐるぐる巻きにしたのである。
その販売店さんは、かつて「おでん屋さん」も営業していたらしく、おいしい煮物をごちそうになった。さらに、「これ、うまいよ」と「ひやし豆」(大豆のおひたし)を出されたときには、ひどく感動してしまった。奥さんの元気の良い口達者ぶりに、なんだか私も元気が出てきたりして、きっと若い営業員さんたちも、たばこ屋のおばちゃんと呼ばれている「やさしい人」たちに、ある意味では育てられる面もあるのだろうと思った。
それから、歌舞伎町ではあまり見受けられなかったが、たばこ会社の新規事業分野である「ハーフタイム(飲料)」の自販機をかなり見かけた。たばこや飲料という商品では、売上高に占める自販機の割合が高くなってきているので、流通ルートにおける自販機戦略がますます重要とのことであった。

● 最後に、私はたばこ業界における競争力という場合、庭先(店頭)での勝負が決定的に大切であるし、そこでの主要な武器は自販機なのではないかと感じた。さらに、システム化、カード化などを含めて、ドレスアップする自販機の勢いは急な状況にあるようで、たばこ自販機製作メーカーにおいても、つり銭トラブルとかコストの問題もさることながら、市場のニーズ(限られたスペースに自由自在にマッチする形、多様なデザイン、街の雰囲気に合う多様なカラー、小型でも千円札対応機能を付与することなど)に即応できるような力量が問われることになる。
それにしても、たばこや飲料という商品は、ブランドを含めた商品力と同時に、実際に消費者の手に渡りやすい自販機の開発・投入、ロケーションの確保に努力し、それに成功するならば、変化しつつある流通網のなかで、大きな力を発揮できることになることは間違いないと思った。

* ただし、2001年現在では、酒類と同様に未成年対策から深夜の時間帯に、自販機のスイッチが消される現状があり、CVSを中心とする手売り売場の重要性が増している。先日、JRの事故により深夜の小山駅で長時間足止めになったことがある。
そのとき、たばこが切れてしまったから、たばこ自販機の前に行くと止まっており、駅前のCVSまで行ってみたけれど、たばこを扱っていなかったので、イライラがつのってしまったことがあった。JRさん、そもそも「たばこ1本1円の特別税」は国鉄債務返済のために設けられたのだから、「せめて1台ぐらいは、たばこ自販機を稼働させてもいいではないか」と思ったのである。(2001 07/14)

※ 2008年7月までに、全国各地に設置されているたばこの自動販売機は成人識別機能を装備し、Taspoという専用のカードを保有している成人だけが購入できる仕組みになるようだ。(2007/08/13)
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