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高杉良さんの『勁草の人』(その1)

2016年02月29日 | 小説・映画等に出てくる「たばこ」
『勁草の人』高杉良著(文藝春秋社、2014年7月刊行)について、たばこの出てくる文章をすべて抜き書きしました。付箋を貼って読み進めたら、分厚くなってしまうほど、「煙草」が使われていたのには驚かされました。というわけで、12回にわたり私のコメントも書きながら掲載します。長い抜き書きになる場合もありますが、どうぞお付き合い願います。

《総理来る》

【22ページ】
中山は冗談ともつかずに言って、吸い差しの煙草を灰皿にねじりつけた。
【39ページ】
中山は懸命に二人をとりなし、煙草に火をつけた。
【45ページ】
「----僕は皆さんから鬼呼ばわりされてますよ。通常の二倍働かされたなんていう奴には、『仕事し過ぎて病気になるなんてことは無い。暴飲暴食か徹夜麻雀のほうがよほど身体に悪い』と言っています。欲張りで点数が辛いですかねぇ」
【42ページ】
「なんにもやっておらんのはわしのほうだ。そのセリフはわたしの専売特許だよ」
『私は仕事はなにもしていない。政治家の依頼を断る以外は』----これは小林の口ぐせだが、率先垂範ぶりをいちばんわきまえているのは中山だった。
【56ページ】
田実のくだけた口吻に誘われるように、高井は咥え煙草で、返した。「田実さん、そっぺいさん、堅物の岩佐さん。役者も揃ってました。角栄節が炸裂する舞台が氷川寮だったわけです。宇佐美総裁は何故欠席したんでしょうか」
【60ページ】
「歴代総理で田中角栄はどうですか」
高井に煙草の煙を吹きつけられて、柳田は顔をそむけた。「郵政、大蔵、通産の大臣を歴任して、官僚を手なづけたのはたいしたもんだよなぁ」

[ken] 田中角栄さんについては、たくさんの本や雑誌でとりあげられ、テレビでもたくさん登場した伝説の政治家であり、一方ではロッキード事件をはじめとする金権政治の代名詞のような印象が強く残っています。でも、本書では実績にもとづく好意的な記述が多く、客観的な見方をする上での参考になると感じました。政治家と企業や団体との健全な関係、もしくは利害関係抜きの天下国家を想い合う間柄というものは、今では稀有なことになってしまったのでしょうか。(つづく)
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クオーツなのに自動巻

2016年02月29日 | たばこの気持ち
▼先月末、しばらく身につけていなかった腕時計が止まっていたので、新しい電池と交換してもらいました。しかし、帰宅してから時計を外して、本棚の上に置いておくと、翌朝にはまた止まっています。手に取ると動き出すので、時刻を合わせて出かけるようにしています。
▼「クオーツなのに、これじゃ自動巻の時計みたいだなぁ」と思いました。そもそもこの腕時計は、亡きお袋が野外作業用に使っていた形見です。「なるほど、そうか。四六時中、身につけておきなさい」というメッセージかも知れないと受け止め、夜も腕時計をして寝るようにしました。そしたら、不思議なことに時計は止まりませんでした。
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『JTのM&A』(その15/完)

2016年02月28日 | たばこの気持ち
【304ページ】
これまでの国内外での多様な人たちとの交流が、この関心なくして敬意なし、敬意なくして信頼なし、信頼なくして協働なしといった、ごく当たり前の基本動作を地道に実行する大切さを教えてくれました。激務ではありましたが、ギャラハーの統合時、JTIのCFOを兼務することで、本当に多くのことを学びました。「苦労は買ってでもせよ」とは、よく言ったものだとつくづく思います。
----正直、苦しかったことがたびたびありました。そのようなとき、いつも心の中でつぶやいていた言葉がありました。それは、彫刻家の平櫛田中氏のあの有名な言葉でした。
「今やらねばいつできる。わしがやらねば誰がやる」
この言葉が、私に強い気概を与え、背中を押し続けてくれたことは、ギャラハー買収にとって幸いつであったと言えます。

【308ページ】
「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」という言葉があるように、経験談をまとめてどれほど読者の皆さんのお役に立てるのか迷いました。というのも、買収は十人十色だからです。

[ken]筆者は理工系の出身ですが、「関心なくして敬意なし、敬意なくして信頼なし、信頼なくして協働なし」など、漢文の書き下し文のような表現を用い、私たちのような高齢者にも伝わるような工夫をしています。そして、何の努力もしないで「一緒に協働しよう、できる」との甘い考え方を、さりげなく退けています。心憎いのは、本書の最終場面にきて、平櫛田中氏の「今やらねばいつできる。わしがやらねば誰がやる」という言葉を引用し、全体のトーンをビシッと引き締めています。
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北風が吹いている朝に!

2016年02月28日 | O60→70(オーバー70歳)
▼2月24日の朝は北風ピューピューで、とても肌寒かったですね。そんな季節の中でも、沈丁花が咲き始めていました。
▼しゃがんで沈丁花の香りを確かめ、春の訪れを実感していたら、予定の電車が発車してしまいました。
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あたし100まで生きるわよ!

2016年02月27日 | O60→70(オーバー70歳)
▼昨夜はYさんを偲ぶ会でした。お忙しい中お集まりいただき、呼びかけ人の一人として、とても感謝しております。
▼参加者のなかで、両足のひざ関節をチタン製の20年保証付き関節に入れ替えたばかり、73歳のSさんは、それまでのO脚がすっかり治った上に猫背も改善して、おまけに身長が5ミリ伸びたそうで、「あたし100まで生きるわよ!」と、ますますお元気の様子でした。
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桜を見にまた来よう(明治学院大学)

2016年02月27日 | ここで一服・水元正介
▼2月9日のお昼休みのミッション「明治学院大学の校内でお弁当を食べる!」を達成しました。また一つ、職場からの散歩コースを新開拓できましたが、お弁当まで食べるとなると、60分ではかなりせわしかったです。
▼でも、もっと早足で歩けば、学食でランチも可能だと思いました。明治学院大学は、わが国の金融史上のレジェンド・高橋是清さん、日本文学の大巨人・島崎藤村さん、日本における労働組合の父・賀川豊彦さんなどが学び、歴史ある雰囲気に満ちています。
▼最近の現役学生では、シールズの創設者である奥田愛基さんが、鮮烈な形で登場しています。桜の季節になったら陽も長くなるので、ゆっくりと校内を散策したいと思います。
▼東門を入ってすぐ、立派な喫煙室も確認済みです。というわけで、白金高輪エリアは、自分にとって歩いたことのない場所が、まだまだたくさんありそうなので、とても楽しみです。
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『JTのM&A』(その14)

2016年02月27日 | たばこの気持ち
【300ページ】
グローバル経営では、勢い分かり合えないことを前提に、説明し合い、分かっていく能力が必要です。また、意見の押し付け合いや勝ち負けを競うディベートではなく、異なる意見・価値を持っている者同士が、互いに納得するまで話し合い、より高次の結論を出すという対話する体力・精神力も併せて具備しなくてはなりません。

[ken]本書で語られる能力は、生まれた時から備わっているものでなく、まして自然に身につくものではありません。筆者は、ここでグローバル経営をスムーズに遂行するための努力、体力・精神力を強調し、それをやり遂げようとした覚悟と情熱が、とりまく人たちの共感を得たのだ、と思いました。さて、昨今の日本では、毎日のように日頃からのコミュニケーション不足、感情のすれ違いを放置していることで生じるトラブルなとにより、凄惨かつ悲しい事件が多発しています。これを少しでも改善していくためには、ここで語られた筆者の考え方が、すこぶる有効なのではないか、と感じました。
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『JTのM&A』(その13)

2016年02月26日 | たばこの気持ち
【260ページ】
議論の進め方として、----
対話を通してお互いを知ることで、生煮えアイデアでも気楽に相談できる関係が、管理職の間で強化されることを期待したのです。

【261~263ページ】
《モチベーション向上の実施案》
(1)ビックピクチャー(全体像)を共有し、個々人の仕事がそれにどう貢献するのかを説明すること。
(2)「対話」型コミュニケーションの充実。
(3)個々人がその将来をしっかり考え、その実現を会社がサポートすること。
(4)「褒めあう」文化の醸成
(5)継続的な改善

【294~295ページ】
では、金融工学は悪なのでしょうか。私は必ずしもそうは思いません。イノベーションが社会の進歩につながると信じるからです。しかし、どのような技術も、使いこなすには社会的な知恵の成熟が必要です。自動車が登場した当初には、自動車自体の安全性や、交通規則は必ずしも整備されていなかったことと同様です。IT技術もいまだに、バーチャル世界のルールを構築できていません。

[ken]ここでは、「生煮えアイデアでも気楽に相談できる関係」という言葉が、不器用な表現ながら、ストーンと腑に落ちました。また、IT技術をかつての自動車にたとえた発想には、素直に脱帽です。理解して欲しいなら、わかりやすく説明しなくてはならない、という筆者の面目躍如ですね。
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スタンド灰皿のある風景!

2016年02月26日 | ここで一服・水元正介
▼慶応仲通りのモン・トレゾール田町店前に、スタンド灰皿が置かれてありました。
▼仲通りから脇道を抜けて、スペイン・バル Mon Rico の店頭には、テーブルの横にきれいに保持された灰皿が立っています。
▼また、三田魚介センターでは、四角柱の頑丈で無骨なゴミ箱兼用のスタンド灰皿が存在感を誇示していました。たばこを場所が激減している中で、ありがたいことですね。
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早咲きのソメイヨシノ!

2016年02月25日 | O60→70(オーバー70歳)
▼本日のお昼休みは、三田周辺で一番早く咲くソメイヨシノを眺めながら、お弁当を食べました。食後のおやつは、北海道函館市のどら焼きでした。木の枝で丸くなり、じっとしている野鳥が目に入りました。
▼前回は盛んに枝から枝に飛び移り、桜の花をついばんでいたのに、これだけ気温が下がると野鳥の動きも鈍くなるのかな。
▼桜の開花も完全にストップした感じですが、明日は暖かくなるそうなので、一気に桜の花もほころぶことでしょう。
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