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開示と隠蔽の間に

2007年08月22日 | たばこ弁護の諸説紹介
◎ 中国から輸入している農産物から、許容範囲を超える残留農薬が検出された。そもそも中国では、独立後から長い期間、人口増加と食糧不足に悩まされ、農業の生産性向上が至上命題とされてきた。それを大幅に改善させた背景には、化学肥料を大量に用いる農業の成功があった。12億人もの国民を飢えさせないことだけでも、人類史上、画期的なことであり、大量の農民が潜在的な過剰労働力として存在していることが、21世紀を制するのは中国であるという根拠にもなっている。

◎ さらに、昨年、中国は台湾と一緒にWTO(世界貿易機構)に加盟し、世界貿易の大きな一翼を担うことになって、「安かろう、悪かろう」の時代から、品質的に良いものが可能になり、企画・開発・人材の育成も軌道に乗ってきたものだから、「チャイナ・ショック」という言葉が世界を席巻したのである。しかし、中国の生産物が世界標準という尺度で測られるようにより、貿易不均衡問題や残留農薬問題などのトラブルも生じてきている。そこで、最近、成分表示などの情報「開示」が、逆にそれ以外の情報を「隠蔽」してしまうのではないか、ということが危惧されるのだ。

◎ たとえば………
(1)牛肉・豚肉・鶏肉にみられたように、原産地表示のラベルが真の原産地を隠蔽していた。
(2)長年にわたり、品質保持(防腐・防臭等)のために無認可の添加物が添加され続けていた。
(3)肺ガン発生における「たばこ犯人説」が、他の要因(免疫、遺伝、排ガスなど)を隠蔽しているのではないか。
(4)スーパーの食肉売場で、きれいにラッピングされることによって、牛や豚・鳥の命を奪って採取した肉というイメージが隠蔽される。
(5)未成年の飲酒・喫煙禁止に見られるような実態とそぐわない法律の存在が、憲法概念(権利と義務など)の希薄化を隠蔽している。
(6)過剰包装の果てに、無認可添加物が意識的に混入され、完全な清潔さの中でこそ「O-157」は増殖する。

◎ 事例を上げれば、もっとたくさんあるけれど、個人的に確信しているのは、「物の生々流転」をできるだけトータル(自分の五感を含む)に把握することだと思う。氾濫している情報のなかで、何をもって自分が取捨選択し、自分の考えとして形づくるのか、それは至難の技であるけれど、いちばん確実な方法であり、自分の心身を守っていく近道でもあるのだ。(2002 06/14)
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