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Palacio mudéjar o de Don Pedro I
←19:アルカサル-王城- 正面玄関、ドン・ペドロの碑文からの続き
セビリアの王城の若き主ドン・ペドロ1世の、自信と誇りに満ちた栄光と自画自賛の碑文が刻まれた正面玄関をくぐって、いよいよアルカサルの宮殿の中にやって来ました。
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宮殿の中央には池を備えた小さな中庭があり、それを回廊がぐるりと取り囲むというイスラム風なつくりになっています。
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回廊を支える大理石の円柱に施された、見事な透かし模様のアーチ。
モーロ人(イスラム系北アフリカ人・ムーア人)の建築職人が手がけたというムデハル様式の宮殿建築は、名高いグラナダのアルハンブラ宮殿を模したとも言われています。
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何とも優美で繊細で、女性的ですらあるエキゾチックな宮殿の中庭。
戦乱に明け暮れ、勇猛果敢な闘いぶりから「残酷王」と恐れられたドン・ペドロ1世がほんの束の間闘いを忘れ、愛する家族と共に過ごしたであろうアルカサルの宮殿は、彼にとって地上で唯一の安らぎの場所だったのかも知れません。
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回廊に添って、王と家族が暮らした部屋が続いています。
どの部屋も、壁から天井まで覆い尽くすようにイスラム風の細かな幾何学模様の装飾で彩られていて、そのあまりの見事さに思わずため息が出ますね…
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連なる豪奢な部屋の中でも、最も絢爛豪華で圧倒的な存在感を放っていたのがここ。
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天井を打ち抜くようにぽっかりと開いた大ドームと、その表面を埋め尽くす綺羅星の輝き!
現在「大使の間」と呼ばれているこの部屋は、ドン・ペドロが自室として使っていたというまさにアルカサルの中心。
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正方形の部屋の丸天井は、イスラム教では「世界」そして「宇宙」を象徴するものだそうです。
世界の中心に自分の居場所を据えたドン・ペドロは、頭上の宇宙を見ながら何を想ったのか…
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この壮麗な宮殿を完成させてからわずか5年後、カスティリア王ドン・ペドロは宿敵である異母兄エンリケ・デ・トラスタマラとの王位を巡る闘いに敗れ、殺されています。
栄光の絶頂期に登り詰めたドン・ペドロは、その象徴たるアルカサルの完成と同時に凋落の一途を辿り始める事となるのです…
セビリアのアルカサル、王城はドン・ペドロ1世にとって、生涯をかけて追い求めた理想世界をほんの束の間表現した、見果てぬ夢そのものだったのかも知れません。
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アルカサルはドン・ペドロ1世の死後も現在に至るまでスペイン王室の王宮として使われ続け、増築が繰り返されました。
その為、宮殿内にはムデハル様式だけでなくゴシック様式やルネッサンス様式の部屋も混在しています。
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※ちょうどこの記事を書く準備を進めていたところ、スペインの現国王であるカルロス1世の退位が決定しました。
セビリアのアルカサルは今でもスペイン王室の王宮としての役割を担っているので、このアルカサルでも何かしらの王位継承行事が行われるかも知れませんね。
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様々な様式が入り混じり、やや混沌とした印象の宮殿の奥には、こんな心和ませる“秘密の中庭”も隠されていました。
アルカサルの宮殿のさらに奥には、鬱蒼とした森を有する広大な庭園が広がっています。
最後に庭園を散歩して行くことにしましょう。
→21:アルカサル-王城- アルカサルの庭園にてに続く
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