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2013-2014 スミソニアン博物館ツアー 番外編その5:ワシントンD.C.の通勤列車、バージニア急行鉄道

2014-03-26 | 鉄道
Virginia Railway Express


番外編その4:アメリカの食事・お菓子と甘いもの編からの続き


僕たちがワシントンD.C.で滞在していたホテルHoliday Innは、市内を貫く鉄道線路のすぐ脇に建っていて、ホテルの真向かいには鉄道駅もありました。
僕の部屋は運良く「トレインビュー」の部屋で、ワシントンD.C.滞在中はホテルの部屋の窓から駅と線路を行き交う列車の姿を見ることが出来ました。


ホテルから見える鉄道駅は地下鉄のL'Enfant Plaza駅への乗換接続駅のようで、朝と夕方の通勤時間帯を中心に列車が停まっているのをよく見かけました。
ダブルデッカーの車体の通勤列車以外にも、アメリカ全土をネットワークするAmtrakの長距離列車も時たま停車しています。

僕の部屋の隣に泊まっていたみーや★さんが、デジカメのインターバルタイマー機能を使って駅の様子を300倍速で長時間撮影されていました。

これを見ると、結構な本数の列車が行き交っている様子がよく分かりますね。
旅客列車ばかりでなく、時たま通る貨物列車はアメリカらしいいわゆる「マイルトレイン(全長が1マイルを超える長さの貨物列車!)」で、数十輌…いや、百両以上か?という桁外れの超長大編成を組んで通過していく様子は大迫力でした。

ワシントンD.C.滞在中のある夜、スミソニアン博物館巡りから帰り夕食を終えてから思い立って、ホテル前の駅を見に行ってみました。


ワシントンD.C.市内中心部にある駅なのに、簡素な無人駅です。
入り口にはV.R.Eの鉄道駅とだけ書かれた看板が掲げられていますが、プラットホームに上がるとL'Enfant Stationという駅名表記がありました。

静かな夜のL'Enfant駅に、列車がやって来ました。



ホテルの部屋からもよく見かけていたダブルデッカーの通勤列車です。車体にはVIRGINIA RAILWAY EXPRESSと書かれています。駅の入り口の看板に書かれていたV.R.Eとはバージニア急行鉄道という通勤専用の鉄道会社のようです。

バージニア急行鉄道の通勤列車に続いて、Amtrakの長距離列車が通過していきます。






列車が走っているのを見ると、やっぱり乗ってみたくなるのが鉄道好きの性癖(笑)
この駅から列車に乗るにはどうすればいいのかな…


無人駅ですが、バージニア急行鉄道のチケット自販機がちゃんと用意されています。
なるほど、乗車前にチケットを買えばいいのか…
よく見ると「チケット買わずに乗車した場合は罰金150ドル!」としっかり警告がありますね。


バージニア急行鉄道の路線図が掲示されていました。
ワシントンD.C.のユニオン駅を起点に、郊外へと続く2つの路線があるようです。


列車の運行状況を表示するモニタもあります。
どうやらバージニア急行鉄道は、朝は郊外からユニオン駅へと向かう列車だけ、夕方から夜はユニオン駅から郊外へと向かう列車だけが運行される通勤需要に特化した極端なダイヤが組まれているらしいことが分かりました。
つまり、今の時間帯は夜なのですべての列車が郊外行きです。運転本数は結構ありますが、乗ったら最後。明日の朝の列車を待たないとここに戻ってくる事が出来ません!!

「こりゃあかん…日本のJRの長門本山支線や和田岬線や海芝浦支線(※どの路線も基本的に朝夕しか列車が走りませんが、それでも上り下り両方向の運行があります)も真っ青の通勤限定路線だ!!
仕方がない、明日の朝にユニオン駅行きの列車に乗るかな。ユニオン駅からなら地下鉄で帰って来られるし」


という訳で翌朝、鉄道好きのメンバーが集まって一緒に早起きしてL'Enfant駅にやって来ました。ホテルからの所要時間は通りを渡るだけなので徒歩数十秒、と言うか僕の部屋から見えてるんだよね…(笑)

まだ暗い中、朝の通勤列車が到着。



乗客が次々に下車して、仕事場へと向かいます。このL'Enfan駅の周辺にはアメリカ合衆国の政府機関のオフィスが多数あるので、公務員の通勤客が多数利用しているようです。朝早くからお疲れ様です!



さぁ、僕たちもバージニア急行鉄道の列車に乗りましょう!
先ずは自販機で乗車チケットを購入。チケットを持っていないと罰金150ドルですからね!


チケット自販機は最新鋭のタッチパネル式。
最初の画面で「チケット購入」ボタンを選択。Amtrakのチケットも購入できる機能があるようですね。


続いて行き先駅を選択。
このL'Enfant駅の隣は、すぐに終点のユニオン駅のようです。まぁ歩いても行ける距離だしねぇ。


次に「片道・普通料金」を選択。回数券やフリーパスもあるようです。


最後にクレジットカードを差し込んで料金5.8ドル(隣の駅までの初乗りにしてはずいぶん高い…まぁ、利用客の殆どは割引の効いた定期券利用で、片道乗車券を買って乗る人なんて滅多にいないんだろうな)の支払いを済ませれば、手続き完了。レシートに印字された乗車チケットが出てきます。

…ところが、このクレジットカード処理がクセモノで、我々が普段使っている日本で発行したクレカを突っ込むと支払いが拒絶されてしまいました。
「まさかこいつ、日本で作ったクレカは処理をはじくんじゃないだろうな?」
これは困った!何しろこのチケット自販機は現金は受け付けず、クレカ対応のみ。ここでクレカが通らないとチケットが買えません。と言うことは、せっかく早起きして駅に来たのにバージニア急行鉄道の列車に乗れないということ!

これが日本なら、チケット無しで乗車しても車掌さんからきっぷを買えばいいだけの話ですが、何しろここは契約社会のアメリカ。チケット自販機が使えなかろうが何だろうがお構いなしに、チケットを持たずに列車に乗った時点で有無を言わせず罰金を取られることになります。
「ぐぬぬ…このまま列車に乗るのを諦めるか、或いは罰金150ドル払う覚悟で乗るしかないというのか…?」
ところがここで僕が試しに突っ込んでみたJR九州発行のクレカ「JQカード」がすんなり通ってしまい、あっけなく全員分の乗車チケットが手に入りました。
「何と…!JR九州のカードはワシントンD.C.の鉄道会社にも有効なのか!凄いぞJR九州!!(笑)」
(まぁ実際のところは、僕のJQカードにたまたま「アメリカンエクスプレス」が付いていたので通ったようです。バージニア急行鉄道に乗る際は、アメックスのカードを忘れずに!)

チケットも買えたので堂々と、やって来た列車に乗り込みます!



朝の時間帯なので、どの列車もすべてユニオン駅行きです。


バージニア急行鉄道のダブルデッカー車輌の内部は、車体中央の通路部分が吹き抜け構造の2階建て。通勤列車とはいえクロスシートのかなりゆったりした車内インテリアです。
L'Enfant駅で乗客のほとんどが下車してしまうようで、最終区間の車内は空いています。


デッキのドア上に、こんなものを発見!
何とこのバージニア急行鉄道のダブルデッカー通勤車輌、日本車輌が製造した日本製でした!
メーカーズプレートに2008年とありますから、割りと最近納入されたようですね。
アメリカの首都で働く人々を支えて頑張る、我らがメイド・イン・ジャパンの鉄道車輌!!


L'Enfant駅を出ると、列車はアメリカ合衆国議会議事堂に向かいカーブを切り、すぐに地下区間に入ります。
線路はナショナル・モールをぐるりと回り込むように、議会議事堂の先にあるユニオン駅へとアプローチしていきます。


L'Enfant駅からの所要時間はわずか数分、あっという間にユニオン駅に到着しました。

ユニオン駅では、隣の乗り場でAmtrakの機関車がお出迎え。





そして何と!ここまで乗ってきたバージニア急行鉄道の通勤列車も、電車ではなくディーゼル機関車が推進運転する客車列車だったのです。
ヨーロッパでよく見かける、客車列車の編成の一方の端に機関車が固定されて機回しすること無く牽引したり推進したりする「プッシュプル方式」ですね。
それにしても、ユニオン駅まで通勤列車を推して来たバージニア急行鉄道のディーゼル機関車、流線型でなかなかスマート、カッコいいですね!


バージニア急行鉄道の朝の終着駅、ユニオン駅の構内は近代的に改装されていて、明るく開放感があります。


ユニオン駅からはAmtrakの長距離列車への乗り継ぎも便利です。
ここで、ワシントンD.C.からほど近い港街ボルチモアまで一人で日帰り旅行に行くメンバーを見送ります。

無事にボルチモア行きの列車のチケットを買って乗車したメンバーを見送ってから、さて僕もホテルに帰ろうか…



威風堂々たるユニオン駅の正面玄関を出て、さぁここまで5.8ドル払ってやって来た道程をのんびり歩いて散歩しながら帰るとしましょう。
ユニオン駅の正面玄関前、公園通りを真っ直ぐ進んだ先には白亜のアメリカ合衆国議会議事堂のドームがそびえ立っています。
この散歩道の続きは、2013-2014 スミソニアン博物館ツアー #20:朝の散歩、アメリカ合衆国議会議事堂 でお楽しみ下さい!


2 コメント

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Unknown (きみ)
2014-03-27 12:57:54
電車カッコ良い(^o^)丿1階と2階とどっちも乗りたいですw駅名の看板を取り付けるために配管を斜めに敷設したのねと仕事目線で見つつ、海外の電車は大きくていいなぁ~と思っていたら日本製(@_@;) 日本でもあの大きさが造れるのですね!そして、ランプが左右でチカチカするのね( ..)φメモメモ
チケット購入の写真はドキドキしました。買わないのにどこを押すんだっけと考えましたw
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Unknown (天燈茶房亭主mitsuto1976)
2014-03-28 00:44:15
2階建てのバージニア急行鉄道の通勤列車、かなりゆったりしていて乗り鉄向きでしたよ、1駅間しか乗れませんでしたが(T_T)
世界最大クラスの超大型客車なので、日本の工場で造るのは苦労が多かったでしょうねきっと。

チケット自販機は僕も英文とクレカ投入のプレッシャーで緊張した~(笑)
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