天燈茶房 TENDANCAFE

さあ、皆さん どうぞこちらへ!いろんなタバコが取り揃えてあります。
どれからなりとおためしください

目指せC型小惑星!はやぶさ2を応援しよう!!

2006-12-02 | 宇宙
探査機「はやぶさ」による人類史上初の小惑星へのタッチダウン成功からもう1年になる。

去年の今頃、僕は毎日自宅のパソコンに(職場のデスクの端末にもw)かじりついて、
日々配信される「はやぶさ」がリアルタイムで繰り広げる前人未到の大冒険の実況に酔い痴れていた。

小惑星イトカワ地表を目指し降下リハーサルを始めた時は丁度平日の真昼頃だったので職場の昼休み中に「いよいよか…ガンバレ!」と端末のモニタ越しにエールを送ったし、
世界最小の地表探査車輌になるはずだった「ミネルヴァ」がうまくイトカワ地表に投入できず宇宙の果てに去っていった時は某巨大ネット掲示板の「はやぶさスレッド」住人諸氏と一緒に茫然自失になりながら「ミネルヴァ、星になったか!」と慟哭した。

そして平成17年11月20日、週末の未明に第1回目タッチダウンにトライ。最新情報を求めて公式サイト、松浦さんブログ、「はやぶさスレッド」を巡回してタッチダウン成功の報を待つも情報が届かず、結局「着陸出来たんだか出来なかったんだかよく分からん」状況のまま夜明けと同時に力尽きてそのまま爆睡。しかしこの時、僕を含めて世界中の88万人の想いを刻んだターゲットマーカは確かにイトカワ地表に到達し、そして「はやぶさ」もまたイトカワ地表に降りていたのだ。

翌週、運命の11月26日。先週イトカワに投入されたターゲットマーカの88万人の「星の王子さまたち」に導かれ、「はやぶさ」はイトカワに再度タッチダウン、サンプラーホーンのプロジェクターの動作は確定されていないものの着地時の衝撃で地表サンプルが採取されていることはほぼ間違いないとされ、「はやぶさプロジェクト」は一つの頂点を迎えた。
「はやぶさ」はイトカワに降り立った。日本人が作った小さな小さな宇宙船が、まだ誰もやったことのない「小惑星への着陸とサンプル採取、離陸」を成し遂げたのだ。

諸般の事情で僕はこの時タッチダウン実況に参加できなかったが、早朝の熊本駅のキオスクに並んだ「はやぶさ」タッチダウン成功の報を告げる朝刊各紙の見出しを見て小さくガッツポーズを決めて、誰にも聞こえない声で「はやぶさ、おめでとう」と呟いた。この時、僕の心は確かに88万人の「星の王子さまたち」と一緒にイトカワで奮闘する「はやぶさ」と共にあった。

その後、「はやぶさ」を悪夢のようなトラブルが襲う。
イトカワヘの着陸時に衝撃を受けて傷ついた船体から推進剤がリークし姿勢が制御できなくなり、遂には地球との通信を断ってしまったのである。
小惑星タッチダウンの快挙を成し遂げた直後の急転直下の悲劇にも、僕に出来ることは太陽に向かって祈ることだけだった(当時、小惑星イトカワは地球から見て太陽の向こう側にあったのだ)。
「はやぶさ」を救いたい。この気持ちを誰かに伝えたい、共有したい。そう思った僕はブログを立ち上げることにした。台湾に伝わる伝統行事「天燈(テンダン)」。祖先や身近だった人々への想いを込めて、真夏の夜空に放たれる「天空の精霊流し」。以前、台湾に旅したときに見た夜空を寂しくも暖かく漂うあの天燈を、僕も宇宙に流そう。天空を彷徨う「はやぶさ」のもとに届きますように…!

ブログ「天燈茶房TENDANCAFE」を立ち上げて暫らく経った平成18年3月初め、JAXAは「はやぶさ」との通信が回復したことを公式発表。その後「はやぶさ」は天空を駆ける翼である「イオンエンジン」の再起動にも成功した。

「はやぶさ」は復活した。

現在、「はやぶさ」はイトカワ付近に待機し、来年2月に訪れる地球帰還軌道へと乗るタイミングを待っている。
地球との通信とイオンエンジンは問題ないものの、「はやぶさ」は満身創痍の状態で「この探査機が生きている事が奇跡(川口はやぶさプロジェクトマネージャ談)」という状態である。
すべての姿勢制御用化学エンジンの推進剤は抜けきって残量ゼロになり、姿勢制御用リアクションホイールは1つを残してすべて故障、バッテリーは回路が短絡状態で迂闊に充電すると船体もろとも大爆発する可能性があり、結局唯一生き残ったイオンエンジンをこまめに活用して設計上は想像もしていなかったような使い方をしながら執念で地球帰還を目指す事になる。
そこまでして懐かしい地球を目指す「はやぶさ」だが、地球に帰還できたとしても余りに哀しい運命が「はやぶさ」を待ち受けているのである。

当初の予定では「はやぶさ」は地球到達後イトカワの地表サンプルの入ったカプセルをオーストラリアのウーメラ砂漠へと降下するように放出した後、姿勢制御用の化学エンジンを思いっきり噴かして地球大気圏を擦りぬけ、そのまま宇宙への気ままな旅に出るはずだった。
しかし化学エンジン用推進剤がすべて抜けてしまった為に「はやぶさ」は軌道を変える事が出来ない。
すなはち「はやぶさ」はサンプルを地球に向かって投げ落とした後、そのまま地球大気圏に突入する。分厚い地球大気との摩擦で「はやぶさ」の船体は砕け散り、燃え尽きる。
…これが、現在考えられている「はやぶさ」の最期である。

宇宙科学研究所が日本の宇宙探査の集大成として送り出した「はやぶさプロジェクト」。
余りに野心的、無謀すぎるという理由で反対意見が続出するもそれを押し切って宇宙へと旅立った探査機「はやぶさ MUSES-C」は多くの人達の心を捉え、壮大な宇宙への旅と前人未到の大冒険の楽しさ、パイオニアであることの意義と素晴らしさを我々に教えてくれた。「はやぶさ」に魅せられた人々は日夜この小さな宇宙船の無事を祈り、果敢に闘う雄姿と大冒険に心躍らせ、意思を持っているような健気な姿に涙を流した。

しかし、「はやぶさ」はこれで終わらない。否、「はやぶさプロジェクト」はこれから始まる壮大な物語の序章に過ぎないのだ。
探査機「はやぶさ MUSES-C」はあくまでも「工学実験探査機」である。宇宙探査機の開発を行う場合、
1、構想・開発・設計
2、構想・開発・設計が正しいか確認するための工学実験探査機(試験機)
3、2に基づき改良された理学探査機(本番)
という順序をたどり、今回の「はやぶさ」はあくまでも試験機である。
これから「はやぶさ」の成果や問題を踏まえた次世代の「はやぶさの子どもたち」が登場するのである。
既に宇宙科学研究所では「はやぶさ2」「はやぶさマークⅡ」という「はやぶさ伝説を継ぐもの」の計画が準備されている。

「はやぶさ2」は現行の「はやぶさ」の2番艦である。「はやぶさ」の成果をそのまま引き継ぎ、設計等の基本理念も幾つかの改良以外はほぼ現行を踏襲して建造され、イトカワとは違うタイプの小惑星へと向かう。「はやぶさ」を引き継ぎ次世代へと繋ぐものなので、早急に計画をスタートさせ速やかに打ち上げる事が求められる。

「はやぶさマークⅡ」は「はやぶさ」の次世代版である。「はやぶさ」の問題点を考慮して設計も全面的に見直され、「はやぶさ」では搭載できなかった最先端の観測機器が搭載される。それは例えば「小惑星地表を破壊せず『すくい取る』」サンプル採取器であったり、小惑星へ複数の地震計を配置することだったりするという(佐賀県立宇宙科学館でのJAXA吉川先生の講演より)。

この「はやぶさ2」を2010年(もしくは2011年)に打ち上げて、岩石主体のS型小惑星であったイトカワとは異なり炭素が主体のC型小惑星である1999JU3へと向かわせ、サンプルを採取して2015年(もしくは2016年)に地球に帰還させる「はやぶさ2ミッション」が立ち上がり、現在JAXAから正式に来年度の調査開発費として数億円を申請し、予算折衝中なのだが非常に厳しい状況なのだ。

予算が取れなければ、「はやぶさ2」は作れない。壮大な「はやぶさプロジェクト」はそのまま過去の伝説となってしまう。もう二度とあの「小さな宇宙船の大冒険」を追いかけて熱狂し、興奮し、感動し、栄光を共有し「88万人の見知らぬ友」と共に酔い痴れた1年前のあの日々を味わう事はできない。

さらにまずいことに、ここに来て超大国アメリカ・NASAが「はやぶさ」の成果に目をつけ追従する動きを見せている。
NASAは「はやぶさ2」の実に4倍もの予算を投入して2011年度に小惑星探査機「OSIRISプロジェクト」を打ち上げようとしている。
NASAの狙いは「はやぶさ」の成果を我が物にすること!
「はやぶさ」が地球にイトカワのサンプルを持ち帰れなかった場合、自分達が打ち上げた探査機OSIRISによる小惑星サンプルリターンをもって「世界初の小惑星サンプルリターン」の栄冠を我が物にしようとしているのだ!!

今、我々が「はやぶさ2」を打ち上げないとこれまでの「はやぶさ」の成果が危ない!宇宙探査の世界では冷酷な「早い者勝ち」「一番乗り」のルールがある。万一、「はやぶさ」が地球に帰還できず人類初の小惑星サンプルリターンがNASAの手で成されてしまった場合、すべての栄冠は日本から奪われる。これまで、宇宙研スタッフの血の滲むような努力により積上げれられてきた「はやぶさ」の成果のすべてが無になってしまうのである。
栄光の「はやぶさ伝説」が過去の遺物になってしまうのである。
なんとしても「はやぶさ2」を創り上げ、打ち上げなくてはならない!今「はやぶさ2」を造らないともう間に合わない、NASAに追い抜かれる!!

そんな危機感を抱いた「はやぶさ」のサポーター達による応援プロジェクトが始まった。

(バナー作成:986@Part22さん)
我々に出来ることは、まず財務省にメールを送ること!
もし、「はやぶさ2」の重要性を理解して頂きキャンペーンに賛同して頂けるなら、是非財務省に「はやぶさ2応援メール」を書いて送って頂きたい。
詳細は上記バナーのリンク先にあるので、是非読んで頂きたい。

みんなで力を合わせて、「はやぶさ2」を実現させましょう!
「はやぶさ」のタッチダウン成功の感動を、共に再び味わうその日まで!

天燈茶房TENDANCAFE」は「はやぶさ2を実現させよう」勝手にキャンペーン を全面的に応援します!
今後、すべての記事にキャンペーンのバナーを掲示します。
また、私mitsuto1976は既に財務省への「はやぶさ2」意見メールを投稿しているので、今後はその他の関係各所へのメール投稿を行います。

はやぶさ伝説は終わらない…終わらせない!