大阪鋼巴球迷的博客(だあばんがんばあちうみいだぼーくぉ)

熱烈なるガンバ大阪サポの筆者が、世界で最も多くサッカーファン人口を持つ中国にガンバの名前を広めんと日中二ヶ国語で発信する

昨年重慶での日韓戦においてなぜ、中国人らはおとなしかったのか?

2009-01-18 21:39:21 | 中国サッカー
「韓国戦を筆者が観戦した時も試合中に不穏な空気はなかった。この点に関してはスタンド四方に警官を配し、ブーイングを行ったら即連行するといった恐怖をちりばめていたのだとは思う。」

上の文は、去年東アジア選手権で重慶へ遠征した後に書き記したものである。4年前のアジアカップの時と全く違う雰囲気にある種の不自然さを感じたものだが、最近やっとその謎が解けた。ジャーナリストの富坂聰氏が司会を務めた中国官僚の座談会を記録した、「中国官僚覆面座談会」(小学館)の中で、武装警察の関係者が次のように語っていた:

(131ページ目終わりから引用開始)
武警:確かに、中国はいま対日関係にはひどく気を遣っているな。この間もサッカー・東アジア選手権が重慶で開催されて、中国と日本の男子の試合(08年2月21日)で大荒れだったろう。試合では中国人選手が日本人選手に対してラフプレーを繰り返したり、会場でサポーターが日本選手にブーイングを浴びせたり罵ったりしたことが報じられていたが、これに対する上層部の対応は早かったよ。

司会:上層部がわざわざサッカーの試合に対応したんですか?

武警:ああ。あの試合の後すぐに重慶のナンバーツーである王鴻挙市長が北京に呼び出されたんだ。それで、十七回大会(引用者注:全人代のこと)の二中大会の真っ最中だったにもかかわらず、温家宝総理自らが王市長を三十分間にわたって叱り飛ばしたって聞いたよ。

司会:総理がどう言って叱ったんですか。

武警:説教の中身については、詳細は伝わってきてないんだが、ただ総理は、「あんなマナーの悪い試合をしたら中国のイメージが傷つくだろう。あれが、あと数ヶ月でオリンピックを開催しようとしている国のやることなのか。話しにならん!」ってかなりの剣幕だったということだ。

(引用終わり)

早い話、オリンピックを前にしたメンツのことを気にしていたのであって、それでは中国でなぜああいうラフプレーが相変わらず続いているのか、という問題やなぜ君が代に対するブーイングがなくならないのか(あの日韓戦でもあった)、という問題への根本的解決にはならないだろうな・・・

いずれにしても、あの時の静けさが人為的に抑えつけられたというものであったことはよく判った。ただ、逆にアジアカップの時のあの空気というのもどこか人為的に煽られたものではなかったかな、という気がする。確かに一般的に中国人は潜在的には戦争(というか歴史教育による)から来る反日感情というものはあるんだけども、あそこまで露になるというのは特定の勢力によって煽られ、それに呼応しやすかったサポーターというのがあの時あの場所にいたんじゃないかという風にも推測してみたりもする。というのも、あの後にも代表でもクラブでも日中戦が行われていたものの、あそこまでヒートアップするものではなかったからなんだが。