「喜知次」乙川優三郎
東北の小藩の祐筆頭の倅の小太郎は立場こそ違うが仲のいい友人・猪平の理不尽な仕打を目の当たりにすることにより藩政改革に目覚めていく。
表題の「喜知次」は香魚の名前で養女にきた妹につける渾名。話の軸は小太郎を中心にまわるので、意外な気がするが、人の不幸というのは分かっているようで、慰めに理想論などを振りかざしてしまうことがあるが、あるとき自分に同様の不幸が襲い掛かってきたときに、自分が慢心していたのではないか、という改悛の気持ちになることがある。タイトルはそんな訓戒もこめられているきがする。
「返事はいらない」宮部みゆき
宮部みゆきの短編集。女性が犯罪に走り、少年が主役となるのが、宮部みゆきの傾向の1つ。この短編で年齢を気にするOLや昭和50年代辺りの言葉遣いが気になるが、ストーリーテーリングの上手さは変わらない。
「レナード現象には理由がある」川原泉
なんだか久々に昔の川原泉っぽい作品だな、と思って読みましたが、蓋を開けると読者と作者の間に距離ができたな、という感がある。もう少し、昔のような川原テイストを見せてくれると嬉しいのだけれど。ずっと同じ作風だとマンネリだと思い、作風が変わっていくと昔のような作風をもう1度と思う。ファンとは勝手なものです。
東北の小藩の祐筆頭の倅の小太郎は立場こそ違うが仲のいい友人・猪平の理不尽な仕打を目の当たりにすることにより藩政改革に目覚めていく。
表題の「喜知次」は香魚の名前で養女にきた妹につける渾名。話の軸は小太郎を中心にまわるので、意外な気がするが、人の不幸というのは分かっているようで、慰めに理想論などを振りかざしてしまうことがあるが、あるとき自分に同様の不幸が襲い掛かってきたときに、自分が慢心していたのではないか、という改悛の気持ちになることがある。タイトルはそんな訓戒もこめられているきがする。
「返事はいらない」宮部みゆき
宮部みゆきの短編集。女性が犯罪に走り、少年が主役となるのが、宮部みゆきの傾向の1つ。この短編で年齢を気にするOLや昭和50年代辺りの言葉遣いが気になるが、ストーリーテーリングの上手さは変わらない。
「レナード現象には理由がある」川原泉
なんだか久々に昔の川原泉っぽい作品だな、と思って読みましたが、蓋を開けると読者と作者の間に距離ができたな、という感がある。もう少し、昔のような川原テイストを見せてくれると嬉しいのだけれど。ずっと同じ作風だとマンネリだと思い、作風が変わっていくと昔のような作風をもう1度と思う。ファンとは勝手なものです。