「ソロモンの偽証―第II部 決意―」 (上下)宮部みゆき
13歳のハローワーク、ならぬ、中3生の裁判実習。
一応、課外活動という事で顧問もいるけれど、裁判に参加をした生徒達は裁判制度をだいたい理解している。私が彼らの年齢の頃は司法制度についてどれくらい理解していただろうか?
特に、弁護・検事役を務める二人は熟知している。優等生恐るべし。
弁護側、検事側がそれぞれの被告、証人に接見し、供述を聞き取る様子や、証拠から推測したりする様は興味深い。
我慢強く接見を続けることで、少しづつ不良の大出が弁護側に信頼を寄せるようになっていく様、野田健一が自分の殻を破っていく姿。別の学校に通う神原和彦の見え隠れする謎。
葛藤(彼女の供述は嘘だと確信している)を抱えながら、三宅樹里の証言を信じると決心する藤野涼子。
事件から裁判へのつなぎではあるけれど、地道な作業やそこで発見や悩みなどがあり、考える様、大人たちとの関わり合い、なかなか面白かったです。
実際に中学生が裁判をしようと決めて、学校が許可することはもちろん、証人探しや証拠探しで協力をしてもらえるか疑問ですが、そこは小説。
まだ、第三部買い揃えてないんだけど、どうしよう!頭の中に入った人間関係を忘れないうちに読みたい!