わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

失敗と対策 (本焼き1)

2008-08-17 15:04:51 | 失敗と対策
 本焼きは窯の種類、大きさ、燃料の種類、土の種類、窯詰めの仕方、窯の炊き方

など等で、それぞれの失敗やその対策が取られていると思われます。

 私が述べるには、経験不足ですので、ごく一般的な事を述べます。

1) 所定の温度まで上がらない。

  本焼きで一番の失敗です。

  イ) 少々時間が長く掛かる程度なら、まずまずの成功と思ってください。

  ロ) 途中で温度上昇がストップ又は温度が下がる。

    (ガス、灯油、薪などの燃料を使う窯に多い)

   ・ 燃料不足の場合は少なく、逆に燃料供給を増やした時に、起こります。

   ・ 窯の大きさに拠りますが、小さな窯では、5~10分程度、そのままの

     状態を保持しておくと、自然に上昇に転じます。

   ・ 一向に上昇に転じ無い場合。

    a) 燃料の供給過多で、内部が強還元状態に、成った為です。

     空気の供給量を増やす。(煙突の引きを弱くする)。

     b)  強酸化状態でも温度は上昇しません。

    c) 一番温度が上昇するのは、中性炎(又は、弱い酸化炎や弱い還元炎)

      です。どうしても温度上昇が鈍くなった場合、煙突の引きを色々調節

      して下さい。

 ハ) 燃料切れ、断線(電気窯)

   通常なら十分な量の燃料ですが、何らかのトラブルで時間が伸び、燃料に

   不安を感じる事が多々ありがちです。

   (都市ガスや、電気の場合には、常に供給が保障されていて、問題なし)

   又 電気の場合、電熱線が突如断線し、温度上昇が止まる事も有ります。

   ・ 燃料をご自分で調達用意する場合は、十分有る事を確認する事。

   ・ 電熱線が 断線し易くなっていないかを、窯焚き前に確認する事。

 ニ) 熱伝対温度計の不具合

   ・ 現在は温度計を使い、窯の中の温度をデジタルで測るのが普通です。

   ・ 炎の色やジェーゲルコーン、色見を窯の中に置き、温度を判断する方法

     は少なくなりました。 それ故温度計の不具合は、重大な問題です。

   ・ 保障線の接点(ネジ、コネクターなど)不良がおき易いです。

   ・ 温度計のスイッチをONにし、保障線を振ってください。表示が点滅す

     れば接点(接続)不良です。ネジ、コネクターを点検してください。

 2) 本焼きの中断

   地震、突然の豪雨、強風(屋外の場合)、停電などで、素焼や本焼きを中断

   せざるを得ない場合が有ります。

    物理的に無理な場合には、諦めるしか有りません。

   ・ あと1~2時間で終わりそうな場合、判断に迷います。

   ・ ただ中断しても、中断時間が短い場合は、中断理由が解消されたら、

     なるべく速く再開します。元の温度までは意外と速く到達します。

   ・ ある程度日数が過ぎ、再開した場合、二度焼きの状態になっても、若干

     本来の色と変化する場合が有りますが、問題にするほどではないと、思

     われます。

     
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