わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

盆器(盆栽鉢) 8(盆器を作る3)

2011-09-20 22:14:25 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
3) 作品の構想が決ったら、いよいよ製作に取り掛かります。

 ① 盆器の素地に成る土を選ぶ。

  ) 陶器の場合は、粘土類を、磁器の場合に、磁土又は半磁器土を使います。

  ) 陶器の場合、泥ものにするか、施釉ものにするかによって、土の種類を選びます。

    特に泥ものと呼ばれる盆器は、土そのものの色が見所ですので、土を選んだり、調合するなりして、

    望む色が出る土を作る必要があります。

   ・ 泥もの専用用の土は、陶芸材料店では、販売されていないと思われます。

     (インターネットで検索しても、該当するものは、見つかりませんでした。)

     又、中国で作られた盆器に使われている土は、ほとんど入手が出来ないと思われます。

   ・ 陶芸で使われている、赤土やテラコッタ、又は備前焼の土、朱泥土(常滑など)、古萬古赤

     等の色の付いた土を、そのまま使用する事も可能ですが、特定の色しか出せません。

     注意: ご存知の事でしょうが、焼成前の土の色と、焼成後の土の色は必ずしも、一致しません。

      例えば、焼成前に黒い土であったものが、焼成後に、白くなったり、黒く成ったり、灰色に

      成る場合もあります。それ故、ご自分で採取した土は、試し焼きをする必要があります。

   ・ 好みの色を出す為には、色々の土を調合する必要があります。但しそれらの土を見い出せない

     場合が多いと思います。

   ・ 土に着色材を添加して色土を作る。(この方法は、邪道と言う人が居るかもしれません。)

     土に練り込む着色材(顔料)は陶芸材料店で、色々の種類が市販されています。

     添加する量で、濃淡を付ける事も可能です。尚、添加する事により、作業がしにくく成る事は

     ありません。 又、顔料同士を混ぜ合わせて、独自の色を作る事もできます。

     又、鉄や銅、マンガン、クロムなどの酸化金属を、添加し着色する場合もあります。

   ・ 燻し(いぶし)の様に、還元焼成で黒く仕上げる場合では、特に土の種類に囚われなくても、

     黒くする事が出来ますが、更に表面を磨く「ミガキ」の泥ものでは、肌理が細かくやや粘りの

     ある土が向いています。

   ・ 尚、盆器の製作を教えてくれる処もあります。そのような教室などでは、独自の入手方法が

     あると思われます。

  ) 施釉ものの土も、釉の種類によって選ばなければ成りません。

   a) 釉の色は土の色を反映します。土の色が違うと、焼き上がりの色に違いがでます。

     絵を描く様な場合は、明るい(白っぽい)土を使うと、絵が映えます。

   b) 土の粒子の細かさも重要です。一般に大きな作品は、粒子の粗い物を使います。

     大きな作品は、縮み量が大きいので、「割れ」や「ひび」入り易いので、縮み率を少なく

     する為に粗い物を使います。場合によっては、素地にシャモットを入れる場合もあります。

     又、梨皮(りひ)の感じを出す為に、粗い土を使う場合もあります。

以下次回に続きます。

     
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