ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

原爆を落とされた唯一の国だから「戦争は絶対にいけない!」と、世界のみんなに言い続けていくリーダーの国

2015年08月19日 | 日本とわたし
原爆被害のパネル展開催中の国連本部ロビーで、「県原爆被災者友の会」事務局長を務める西本多美子さん(74)の体験談を聞くルイス君。



今から2ヶ月ほど前に、憲法研究者の岩田行雄さんから、ルイス君という、アメリカのマンハッタンに住む9歳の少年が、
安倍総理に宛てて、素晴らしい手紙を書いたことを教えていただきました。
この手紙は、ルイス君の手書きで、日本語で書かれたものだそうです。
全部で13枚にも及ぶと聞いています。
その内容の全文は非公開となっていて、なのでここに紹介させたいただくのは、要約されたものになります。
手紙は、石川県被団協のメンバーの方が、ニューヨークで開催されたNPT会議に参加した際に、ルイス君より託されたものです。

手紙を何度も読みました。
そして、ルイス君が、同じクラスの子どもたちにも伝えたいと、時間を作ってもらって話し始めたところ、途中で先生に止められて十分に話せなかったこと。
でも諦めずに、またもう一度、話を聞いてもらえるように頑張ってみようと思っていることなどを知り、胸の中がじーんと熱くなりました。

暮らしている地域(州など)にもよるし、もちろん人にもよりますが、原爆というものについての思いや考えは、人の数だけ存在します。
けれどもやはり、いかなる事情や理由があろうとも、核兵器というものを使ってはならないということは明白な事実です。
もう作ってしまったのだから0にはできません。
けれども、使えなくすることはできます。
世界がこの思いをひとつにして、地球上から核兵器という物体を、国際法上亡きものとして扱えたら、
不必要な兵器の開発も、成分となる核物質のさらなる生成や保存も、必要ではなくなります。
敗戦後70年、核の平和利用などという腹黒い誤魔化しの元、大勢の作業員の方々が被曝をし、環境も汚され続けてきました。
大きな地震や津波、そして活火山の噴火などが頻発する小さな小さな島国に、
大きな自然災害が起こったら最後、手の施しようのない破壊と償いようのない汚染、そして永遠に続く事故処理が必至の核発電所を、
自民党という党は、金と権力にものを言わせ、過疎の村や町をアメとムチで分断させ、ウソで塗り固めた安全神話を駆使して、
粛々と、こっそりと、その地域内から事の次第が漏れないようにしながら、原発だけでも54基もの施設を建ててしまいました。
そのことをほとんど知らないでいたわたしのような人は、日本の、いえ世界の中に、いったいどれほどいるのでしょう。
福島の原発事故が起こった後のニュースの中で、54基という数字を初めて読んだ時の驚き。
そして、すぐさま湧き上がってきた恐怖と後悔の念。
今でもはっきりと覚えています。

これはなんとかしなくてはならない。
知らなかった、知ろうとしなかった。
そのことを恥じ、怒り、何度も何度も反省しました。
ルイス君もがんばっている。
ありがとうルイス君。
わたしもがんばります。


それでは、憲法研究者・岩田行雄さんのブログ『岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞』より、転載させていただきます。

↓以下、転載はじめ

憲法便り
『 9歳の米少年ローレンツ・ルイス君が、被団協に託した安倍総理への手紙』

http://kenpouq.exblog.jp/24244236/
【憲法千話】2015年6月11日

アメリカの9歳の少年ローレンツ・ルイス君が、被団協の方に託した安倍総理への手紙

ここでは、今日の政党代表の挨拶で、日本共産党衆院議員藤野保史(ふじの やすふみ)さんが読み上げた、
アメリカの9歳の少年ローレンツ・ルイス君の手紙を紹介します。

9歳、4年生の少年の文章です。

藤野議員が挨拶を終えて、お帰りになる際に、私から声をかけて握手をし、
「お読みになった手紙は、どこかに掲載されていたものですか?」と訊ねると、
「今日、被団協の方から受け取ったばかりです」との返事。

この手紙は、訪米していた被団協の方に、ローレンツ・ルイス君が託したもので、
全体は13ページありますが、それを被団協の方が要約したもの、ということです。

お読みになったコピーをいただきましたので、その画像も併せて掲載します。


安倍総理へ

僕の名前はローレンツ ルイスです。
9歳です。

ニューヨークのマンハッタンに住んでいます。
土曜日は、日本語の補習校に通っています。

安倍総理が、日本の自衛隊を、戦争に参加出来るように法律を変えようとしている、と聞きました。
僕は「そんなの絶対にウソだ!」と言ったら、お母さんは日本のニュースを見せてくれました。
ウソではありませんでした。
僕は本当に信じられませんでした。

70年前、広島や長崎の人たちは、虫を殺すように殺されました。
僕は虫も殺せないのに。
僕たちの平和な未来のために死にました。
戦争がどんなに恐ろしいのかを証明して死にました。

日本の自衛隊が戦争に参加する事になったら、何のために戦争でたくさんの人が苦しんで死んだの?
何で同じことを繰り返すの?

日本は原爆を落とされた唯一の国だから、「戦争は絶対にいけない!」と、世界のみんなに言い続けていくリーダーの国です。
もし日本が戦争に参加したら、世界のみんなは、「日本も戦争に参加しているし、僕たちの国も戦争をしてもいい」と思ってしまいます。

それは世界に、「戦争をする事は悪い事ではなくて良い事です。人を殺すのは良い事です」と言っているのと同じです。
そして日本が戦争に参加することになったら、世界中の国がどんどん戦争をはじめて、地球は戦争の世界になってしまう。

そして地球はなくなります。

世界平和のために、日本は絶対に、戦争に参加してはいけない国なのです。

戦争は、人を殺す事です。
全てのものをこわします。
戦争は、何の問題も解決しません。
それどころか戦争は、とても大きな問題を作るだけです。

世界中の子供達は、原爆や戦争の怖さを知りません。
でも、本当の怖さを知っているのは日本人だけです。
そして世界が平和になるために、戦争の本当の怖さを伝えるのも、日本人しかできません。
日本は、いつまでも、世界のお手本でいなくてはいけません。

日本人が平和の大切さを訴えることは、世界で一番影響力があります。
安部総理が世界のリーダーになって、『戦争のない世界、国と国がお友達になる平和な世界』を訴えてくれる、一番力のある人だと思います。

戦争で死んだ、罪のないたくさんの民間人や兵士の死を無駄にしたくないから、
僕は、戦争の怖さをみんなに伝えたいし、もう二度とこんなことが起きないように、戦争は絶対にいけないことを、アメリカで伝えます。

でも、僕の力はとても小さいです。

安倍総理、どうか僕の願いをかなえてください。
お願いします。

ローレンツ ルイス  9歳 小学4年生



藤野議員からいただいたコピー。
囲んである四ヶ所が、読み上げて紹介した部分。
下にある書き込みは、藤野議員によるもので、ご挨拶の締めくくりの言葉。


↑以上、転載おわり


NPT再検討会議:被爆女性、草の根外交 米の少年「戦争の怖さ伝える」/石川
【毎日新聞】2015年6月9日 
http://mainichi.jp/area/ishikawa/news/20150609ddlk17040363000c.html
 
米・ニューヨークの国連本部で、5月下旬まで1カ月近くにわたって、核拡散防止条約(NPT)再検討会議が開かれた。
会期中、金沢市在住の被爆女性も渡米し、各国代表団や子供たちに、「核なき世界」の実現を訴えた。
聞き手の中には、悲惨な体験に心を痛め、その後、安倍晋三首相に宛てて、平和を願う手紙をしたためた米国の少年もいる。
交渉が決裂したNPTに、被爆者は失望を深めつつも、「非核の輪」が草の根で広がることに、望みを託している。【竹田迅岐】

「県原爆被災者友の会」事務局長を務める西本多美子さん(74)=金沢市額谷。
4歳の時、広島市の爆心地から約2・3キロで被爆、1974年、夫の転勤とともに、金沢市に移り住んだ。

5年に1度のNPT会議などに合わせ、95、00、10年に渡米し、現地の計7校で体験を紹介してきた。
4回目の今回は、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の一員として、4月24日から5月1日にニューヨークを訪れ、メキシコ政府代表団や学校を訪問した。

4月27日には、原爆被害のパネル展開催中の国連本部ロビーで、ニューヨークに住む母子に体験を語った。
ローレンツ華以(けい)さんと長男のルイス君(10)親子で、体験を聞かせてほしいと、被団協を通じて事前に申し出があった。

西本さんは、自らが体験した原爆投下直後の様子のほか、
やけどの傷痕に苦しんだり、肉親を亡くして悲しみに暮れたりした他の被爆者の体験を、1時間半にわたって日本語で語った。
日本語学校に通うルイス君は、熱心な様子で聴き入っていたという。

西本さんが帰国した直後の5月初旬、ルイス君から、華以さんを通じてメールが届いた。
西本さん以外にも、約10人の被爆者に体験を聞いたとし、「原爆の痛みやつらさを知ることができた」と、感想を伝えてきた

ルイス君は、多くの体験談を聞いたことがきっかけとなり、被爆者の思いを届けたいと、
6月4日、安倍首相に宛てて、日本語で記した手紙を送った。

「どうしてこんなにつらい人生を送らなければいけなかったのか、とても悲しくなりました。
戦争の怖さをみんなに伝えたいし、戦争は絶対にいけないことをアメリカでも伝えます」
とつづった。

ルイス君は、毎日新聞の取材に、
「核のない平和な世界になってほしい、との思いを込めた」としている。
華以さんとともに、被爆者の声をまとめた書籍の出版も、検討しているという。


では、その当事国日本の政界はというと、下記の第3次アーミテージ・ナイリポートのまとめを見てもはっきりとわかります。



この国の政策は、アメリカの対日要求に沿って決められているのではないか?という、山本議員の質疑の言葉通り。
もうそんなことをいつまでも続けることは許さない!
多くの国民のそういう強い意思を、もっともっと外に、物理的に、確実に伝わるような方法を考え出さなければ。


自治体へ再稼働圧力? 停止原発の交付金減額を検討
【テレ朝ニュース】2015年8月11日
http://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000056535.html

宮沢経済産業大臣は、原発の停止中は一律の稼働率で交付してきた交付金について、
現在の規定を見直し、引き下げを検討していることを明らかにしました。

宮沢経済産業大臣:
(現在の見なし稼働率は)81%という、かなり高い割合になっている。
稼働実績とか実際の運転状況踏まえ、一定の見直しをしたいと考え、現在、検討。
 
現在、停止中の原発は一律、稼働率81%とみなして、立地自治体に交付金を払っていますが、
今後は、東京電力福島第一原発事故前の稼働実績に基づいて、原発ごとに、みなしの稼働率を定めたうえで交付額を見直す、という案が検討されているということです。
事故前の原発稼働率は、全国平均で約70%だったため、交付金は減額されることになります。
このため、減額を恐れた自治体から今後、再稼働を求める動きが高まる可能性があります


原発維持に1兆4千億円 発電ゼロ時の電力9社
【東京新聞】2015年8月17日
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015081701001586.html
 
東京電力など、原発を保有する電力9社が、稼働している原発がなかった2014年度に
原発の維持、管理のため、計約1兆4千億円を使っていたことが分かった。

各社は、この費用のうち多くを、電気料金に転嫁しているが、
原発の代わりに使う火力発電の燃料費も増え、財務悪化や電気料金の上昇につながっているとみられる。

各社が早期の原発再稼働を目指す背景には、こうした維持管理費負担もありそうだ
 
9社は、有価証券報告書で、「原子力発電費」として原発関連の支出を公表している
14年度は計約1兆4260億円で、内訳は人件費や修繕費、使用済み核燃料の再処理費などだった。
(共同)



これからの日本は、戦争とも原発とも、きっぱりと縁を切らなければなりません。
その志の強さを、美しい小さな島から、世界に向けて発露しなければなりません。
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