Tは23才。タイソンは25才。ふたりともに若く、これからの自分の人生をどう生きていきたいのか、自分はいったい何者なのかを模索中。
そのふたりを眺めながら、どんどん過熱していく話を目を細めて聞いていたわたし。
今日はそのことを思い出して、ふふっと笑みがこぼれた時、急に思い出した!旦那はあの時25才だった!ひゃ~!
有名大学を出たものの、専攻していたのがヨーロッパの歴史で、就職のことはまるで考えていなくて、なんになりたいのかも全然わからなくて、
自分の周りにいる、おなじような輩と一緒に、あっちこっちのペンキ塗りをしながら食いつないでいた旦那。
付き合っていたガールフレンドが建築を専攻していて、彼女が興味を持っていた東洋の建築物を見て回る旅行に暇つぶしについて行った旦那。
タイ、マレーシアなどを回り、お金が尽きたら日本。なんせ日本は、そういう風来坊な英語人の若者にとっては都合のいい稼ぎ所だった。
英会話の講師になる場所は山ほどあって選び放題。講師になったら、ケラケラ笑えるほど簡単にお金が入ってきた。バブル崩壊の直前の頃。
日本は旦那にとっては全くの未知の国、だった。
「チャイニーズ、ジャパニーズ、ダーティニーズ」と言って、子供の頃は東洋人を小馬鹿にしていたガキだった。
仁王立ちに立って、両手の人差し指を目尻に置いて、チャイニーズと言う時は上げ、ジャパニーズと言う時は下げ、その後膝小僧を指差してダーティニーズ。汚れた膝小僧という具合。今でもたまに見せられた時はいつも、瞬間、こいつ、ボコボコにしたる!と思ってしまう。
幼少の頃、『ウルトラマン』や『鉄腕アトム』、それから『マッハゴーゴーゴー』なんかを白黒で見てたらしいけれど、それが日本からだなんて全然知らなかったらしい……なんでやねん?科学特捜隊の隊員の人ら、思いっきり日本人(東洋人)ばっかやんか!
ということで、全くなんの予備知識もなく、ただ暇だったのと、ガールフレンドと一緒にいたかったのと、親友が京大に編入していたのとで日本に行った彼。
なんの予定も、野望も、希望もなく、フウテンを続けられるだけ続けて、なんとなくふ~わふ~わ生きていたかった25才の旦那。
気がついたら、なんか知らんけどねっとりとした糸に絡まれて、動きがとれんともがいてたら、2人の、しかも幼児持ちの、バツイチにこれからなる予定の、えらい年上の、わけのわからん言葉をしゃべる女がどんどん近づいてきて……あわわわわ~!!
ほんまになんも知らん、まだどう生きていきたいんかも全然決めてない、ふにゃふにゃの25才をつかまえて、わたしはなんという無謀なことを迫ったのか。
息子があの頃の旦那の年になり、わたしがあの頃の旦那の母親の年になって、やっと初めて気がつきました。
っていうか、わかってたつもりがわかってなくて、今やっとほんまにわかったような気がしました。
えらいこっちゃやったんや……。
ごめん!かんにん!なかったことにしといて!あ、ちゃうわ、なかったことにはしたらあかんけど、まあ、これでよかってんって思といて!
そのふたりを眺めながら、どんどん過熱していく話を目を細めて聞いていたわたし。
今日はそのことを思い出して、ふふっと笑みがこぼれた時、急に思い出した!旦那はあの時25才だった!ひゃ~!
有名大学を出たものの、専攻していたのがヨーロッパの歴史で、就職のことはまるで考えていなくて、なんになりたいのかも全然わからなくて、
自分の周りにいる、おなじような輩と一緒に、あっちこっちのペンキ塗りをしながら食いつないでいた旦那。
付き合っていたガールフレンドが建築を専攻していて、彼女が興味を持っていた東洋の建築物を見て回る旅行に暇つぶしについて行った旦那。
タイ、マレーシアなどを回り、お金が尽きたら日本。なんせ日本は、そういう風来坊な英語人の若者にとっては都合のいい稼ぎ所だった。
英会話の講師になる場所は山ほどあって選び放題。講師になったら、ケラケラ笑えるほど簡単にお金が入ってきた。バブル崩壊の直前の頃。
日本は旦那にとっては全くの未知の国、だった。
「チャイニーズ、ジャパニーズ、ダーティニーズ」と言って、子供の頃は東洋人を小馬鹿にしていたガキだった。
仁王立ちに立って、両手の人差し指を目尻に置いて、チャイニーズと言う時は上げ、ジャパニーズと言う時は下げ、その後膝小僧を指差してダーティニーズ。汚れた膝小僧という具合。今でもたまに見せられた時はいつも、瞬間、こいつ、ボコボコにしたる!と思ってしまう。
幼少の頃、『ウルトラマン』や『鉄腕アトム』、それから『マッハゴーゴーゴー』なんかを白黒で見てたらしいけれど、それが日本からだなんて全然知らなかったらしい……なんでやねん?科学特捜隊の隊員の人ら、思いっきり日本人(東洋人)ばっかやんか!
ということで、全くなんの予備知識もなく、ただ暇だったのと、ガールフレンドと一緒にいたかったのと、親友が京大に編入していたのとで日本に行った彼。
なんの予定も、野望も、希望もなく、フウテンを続けられるだけ続けて、なんとなくふ~わふ~わ生きていたかった25才の旦那。
気がついたら、なんか知らんけどねっとりとした糸に絡まれて、動きがとれんともがいてたら、2人の、しかも幼児持ちの、バツイチにこれからなる予定の、えらい年上の、わけのわからん言葉をしゃべる女がどんどん近づいてきて……あわわわわ~!!
ほんまになんも知らん、まだどう生きていきたいんかも全然決めてない、ふにゃふにゃの25才をつかまえて、わたしはなんという無謀なことを迫ったのか。
息子があの頃の旦那の年になり、わたしがあの頃の旦那の母親の年になって、やっと初めて気がつきました。
っていうか、わかってたつもりがわかってなくて、今やっとほんまにわかったような気がしました。
えらいこっちゃやったんや……。
ごめん!かんにん!なかったことにしといて!あ、ちゃうわ、なかったことにはしたらあかんけど、まあ、これでよかってんって思といて!