まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

色、快 ごくらくフェミニスト

2008-03-02 | 日本映画
 昼前に起きると、ダミアン以外はみんな外出中。ダミアンが昼メシ食ってないというので、近くのラーメン店に二人で行きました。何でも好きなもん食えや!と、太っ腹な私。ラーメン店でオゴるくらいで威張るんじゃねーよ!と言わんばかりのダミアンと、仲良くランチしました。ダミアンの友人Oくん(池松壮亮似)に、彼女ができたというショッキングな話題に、私は思わず麺を鼻から出しそうになったのだった。Oくん~!わしというものがありながら~!
 食べ終えて、いざレジで支払おうとすると...あわわ!?財布の中身が、1000円弱しかない!ひー!どないしよ~!とオロオロする私に、しゃーないな!とダミアンが払ってくれました...な、情けない私を許してダミアン。来月の誕生日には、好きなもの買っちゃるけんね~!

 お松の第2回独り市川雷蔵映画祭⑤
 「好色一代男」
 井原西鶴の代表作を、増村保造監督が映画化。
 京の大店、但馬屋の跡取り息子・世之介が繰り広げる、愛と享楽の放蕩三昧物語!
 女はみんな、観音さまや~!弁天さまや~!と、色事に全身全霊な世之介。その破天荒というか壮絶な色道驀進ぶりに、圧倒されます。単にエッチがしたくてギラギラな、さもしい異常性欲者って感じは全然なく、とにかく女を大事にしたい!幸せにしたい!という、病的なまでのフェミニスト精神に突き動かされているところが、いわゆるプレーボーイとか女好きとか女狂いとは違います。世之介にとって女とヤることは、欲望ではなく神仏から下された使命!みたいな。そう、世之介は地上に使わされた、神聖なるエロ天使なのです。
 のほほんノーテンキで、ふわふわした夢見る夢太郎な世之介のキャラが、浮世離れしていて笑えます。もし~そこの美しいかた~♪と女と見ればルンルンフラフラついていって、うっとり&まったり口説く世之介。その計算とか裏表のなさに、純粋で無垢なエロってあるんだなあ、と感嘆。
 でも、世之介が愛した女たちって、みんな悲惨・不幸な末路を迎えちゃうんですよねえ。それがスゴい皮肉。本当の愛を知らずに逆境の中で生きていた彼女たちが、そこまで心から愛してくれて幸せ~♪みたいな感じで死んでいく姿は、まさにエロ天使の世之介が文字通り極楽に昇天させてやった風でもあります。そのたびに、よりパワーアップしてケロっと前進する与之介が、ちょっと妖怪ちっくで怖い。結局は世之介って、女を幸せにするより、女を愛するという自分の幸せだけを貫徹してる。そのためには、実家の財産を食いつぶし、周囲にどんな迷惑や災難が降りかかっても、まったく頓着しない冷酷さが怖い世之介です。
 日本全国西へ東へ、ポンポンと話が小気味よく進む、エネルギッシュでエッチなピンク時代劇ですが、理不尽な身分差社会に泣く、庶民の悲哀や悲劇もナニゲに描かれていて、世相風刺としても興味深いです。
          
 世之介役は、もちろん市川雷蔵。雷蔵って、やっぱスゴいわ~!ワンパターンな二枚目じゃないってことを、今さらながら思い知りました。エロいというより、超ド級の天然ぼんぼん雷蔵、ノリノリのラリパッパ演技でコミカル狂気乱舞!バカ殿メイクな白塗り顔(首や体との色が違いすぎ!)と、はんなりトボけた京言葉、ほんと笑えて可愛いです。女と絡むシーンも、明るく楽しそうでありながら艶かしくて、さすが。何度か上半身裸を見せる雷蔵、結構いいカラダしててセクシイ
 気品があって優美な雷蔵だからこそ、世之介は天使のように可愛い男に見えたのでしょう。女にモテる男なら誰でもいいって役じゃないんだよなあ。もし石田じゅんいちとか羽賀けんじとかだったら、何か騙されてる?と確実に疑い&警戒しちゃうだろうし。明らかに女は性欲処理の道具としか思ってない市川海老蔵みたいなフェミニストの敵も、相応しくない。むかし、TVドラマで明石屋さんまが演じたことがあると聞いて、ええ~?!と苦笑。女好きとはいえ、さんまは現実的な性格っぽいので、女なんかに命かける男には見えんぞ!それに、丁稚ならともかく、ぼんぼん役は無理!やっぱ世之介は、雷蔵みたいなファンタジックな美男でないとね。
 「炎上」では雷蔵の老師を好演した中村鴈治郎が、今度は世之介パパ役。またまたいい味だしてます。息子が女遊びなら、パパは銭もうけと倹約に命がけ!そのケチケチぶりと、ドアホ!と息子にツッコミを入れる漫才みたいな雷蔵とのやり取りが笑えます。
 世之介に愛される薄幸の女たちに、中村玉緒や若尾文子など。みんな若い(って、当たり前ですが)!
 一生に一回でいいので、世之介のように豪快に豪遊してみたいなあ。イケメンはべらせて、それ拾え~!と小判をばら撒いてみたいです♪
 
 

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