




ロンドンで暮らす脚本家のアダムは、かつて両親と住んでいた郊外の家に立ち寄る。そこで幼い頃に事故死した両親と再会したアダムは、両親に会うため旧家に通い始める。そんな中、同じマンションの住人ハリーと恋に落ちるアダムだったが…
今年上半期の腐マスト映画、やっと&ついに観に行くことができました!


この作品はBL映画というより、ゲイ映画と言ったほうがしっくりくるかも。フィクションの世界では、男性同士の恋愛もすっかり市民権を得ていて、最近のBLものは男女とそう変わらないような内容のものが多く、同性愛ゆえの苦悩や苦闘、悲しみなど存在しないハッピー&スウィートさ。それこそが魅力とも言えるのだけど、そんなのを観続けているうちに違和感というか疑問というか、ノーテンキで軽薄なBLってゲイを冒涜してるように思えてきて。おっさんずラブとか、私も最初は笑いながら楽しんでたのだけど、だんだん不愉快に。結局はゲイをイロモノ扱い、バカにしてるように思えて、パート2は途中リタイア。観たいのはもっと真摯な、でも気が滅入るような、目を背けたくなるようなリアルなものではなく、現実の中でささやかに懸命に息づいている姿が美しい悲しい、と心動かされるBL…まさにこの映画がそれでした。

死んだ両親と再会という設定はファンタジーですが、アダムとハリーのBLは現実的。ゲイってこんな風に惹かれ合って想いを伝え合って結ばれて、そして傷ついて悩むんだな~と、男女の恋愛ものとの違いをさりげなくも明確に描いているところが、さすがオープンゲイのアンドリュー・ヘイ監督ならでは。都会を舞台にしているのに静かで寂しい雰囲気なのも、ゲイの恋愛や人生をよく表していると思います。「さざなみ」や「ウィークエンド」など、ヘイ監督の感性がすごく好き。現実的なのに生々しくないところとか。ベタベタしい湿っぽさがなく、どこか乾いた悲哀の心地よさとか。ファンタジー部分も奇をてらった演出やシーンなど全然なく、アダムが幽霊?と会ってることも忘れそうになるほど。アダムの部屋の窓から臨むロンドンの夜と朝の風景の寂寥感ある美しさ、アダムとハリーがトンじゃうクラブのシーンのスタイリッシュさなど、今回も私の胸を衝く映像と演出でした。

喪失の痛みと悲しみがテーマなのですが。私はそんなに愛されたことも愛したこともないので



アダムとハリーの愛は、ほんとジワる!お互いを思いやる優しさ、分かち合う安らぎには、見てるほうも幸せな気分に。二人のゲイゆえの孤独、家族や社会との断絶と疎外感、ゲイの生きづらさも、最近の粗製乱造BLにはないリアルでした。このまま末永く…と願わずにいられない二人が、ああ…


BLカップルを演じた二人の俳優が、とにかく素晴らしい!アダム役のアンドリュー・スコットは、ちょっと前にnetflixのドラマ「リプリー」を観たばかりなので、彼の地味にスゴい役者っぷりにあらためて感嘆。いろんな映画やドラマでお見掛けしますが、今まででいちばんいい男に見えたかも。これ見よがしじゃなく、かつ引き込んでくるという難易度の高い演技。特に別におかしなことはしないのに、ひょっとして心が…?と思わせる静かな不安定さ、不穏さが秀逸。カミングアウト俳優としても有名な彼、男と愛し合う姿がこれほどナチュラルな俳優もなかなかいません。もう青年じゃない大人の落ち着き、けどおっさんでもない繊細さも魅力的でした。それにしても。アダム、霊感強すぎでしょ

ハリー役のポール・メスカル






いや~ポール、ほんといい役者ですね~。あんなラヴリーでピュアな笑顔、演技でできるもんなんですね~。いきなりポールみたいな男が訪ねてきて、あの笑顔で一緒に飲もう(=ヤろう)と誘ってきたら、私なら断る自信ないわ~。断ったアダムの用心深さと自制心、あのとき部屋に入れていたら…と思うと泣けてきます。年上の男に甘える可愛さ、支える頼もしさ、風貌もキャラも一途で忠実な大型犬みたい。こんな彼氏ほしい!なポールasハリーでした。

言動は明るいけど、たまに見せる暗い淵をのぞいているような目とか、泣くのをこらえているような表情とか、ハリーが深い傷と闇を心に抱えていることがわかるポールの演技は、秀作「アフターサン」の彼を彷彿とさせました。脱ぎっぷりのよさも相変わらず。ムキムキバキバキではなく、がっちりむっちりなガタイが素敵。ラブシーンではお尻も当然のように見せてます。デカくてきれいなケツがイイネ!


アダムの両親役のジェイミー・ベルとクレア・フォイも好演。登場人物は全編ほぼ4人だけ、というシンプルさも今思えば驚異的。山田太一先生の小説「異人たちとの夏」をイギリスで大胆にBLアレンジしての映画化、ということも話題に。邦画版もあるみたいですが、ぜんぜん観る気が起きない




アダム&ハリーforever…

ぼくのお日さま、池松くん扮するスケートのコーチの恋人役は、いま注目の若葉竜也ですね。あんましタイプじゃない(笑)。フィギュアよりスピードスケートのほうが好きです。
BLテイストもあるんですか。邦画でフィギュアスケートを取り挙げるのは珍しいですね。
ブッキーと池松くんの異人たち、観たいですよね~。池松くんは新作映画でどうやら同性愛者の役を演じてるみたいですね。
shall we danceは未見。ハリウッド版もあったような?
すねこすりさん、こんばんは!
ツボりました~!内容も役者も雰囲気も、すごく好き。すねこすりさんが確認したかったことって何だろう?ご感想UPを楽しみにしてます(^^♪私はあのマンションが気になるんですよね~。住人はアダムとハリーだけ?
ブッキーは単に私が好きだから、それだけの理由で(笑)。ゲイっぽさがあるところも大事。いまだに私、ブッキーのこと疑ってますから(笑)。青柳翔もいいですね~。若い頃の青柳翔ならハリー役もよさげ。
ツボりましたか!
本日、2度目の鑑賞に行きました。すごく感動したからとかではなく、確認したいことがいくつかあって、、、なんですが。
たけ子さんとはちょっと感想が異なりますけど、私も邦画版よりはこちらの方が好きです。
原作>本作>邦画、、、ですかね(*^-^*)
逆輸入リメイク、いいですね。
池松君は賛成ですが、ぶっきーよりは、ちょっと年齢的にアレですが、西島さんか、ハセヒロか、青柳君とかがいいかなー、私的には(^^♪
いや、ぶっきーもイイんですが、悲哀とか程遠いイメージなんで、、、(^^;
希望は妻夫木くんと池松くん。いいですね。
私は「Shall We Dance?」を邦画でリメイクしてほしいのですが、なかなか難しいかな?