天命を知る齢に成りながらその命を果たせなかった男の人生懺悔録

人生のターミナルに近づきながら、己の信念を貫けなかった弱い男が、その生き様を回想し懺悔告白します

歴史音痴小沢幹事長は『ローマ人の物語』『空海の風景』『沈黙』を熟読し、陛下のお言葉を肝に銘ずべし

2009-11-17 22:25:49 | 日記
今日の日記は、民主党小沢一郎幹事長が今月10日和歌山県高野町の高野山・真言宗金剛峯寺管長、松長有慶さんに語った発言についての私的所感です。その発言は『キリスト教もイスラム教も排他的だ。排他的なキリスト教を背景とした文明は、欧米社会の行き詰まっている姿そのものだ。その点、仏教はあらゆるものを受け入れ、みんな仏になれるという度量の大きい宗教だ。』というものでした。この発言は、仏教を賞賛してキリスト教やイスラム教を非難するものです。さらに彼は、16日の記者会見で『根本的な宗教哲学と人生観の違いを僕は述べたんです。わかった?僕も君も死ねば仏になれるんだ。』と釈明しています。
小沢幹事長は、行き詰まっている欧米社会の文明思想の根幹はキリスト教の宗教だけと断定してます。しかし、キリスト教だけではなく、古代ローマ帝国がほとんどのヨーロッパを統治した時代のギリシヤ・ローマ文化が、後の西欧諸国に及ぼした影響は計り知れないものがあります。その歴史的出来事を正しく良く記述している名作小説が塩野七生著『ローマ人の物語』です。
また、小沢幹事長が訪れた高野山真言宗の開祖・空海は入唐してから、都長安においてバラモン教や景教(キリスト教の一派)ゾロアスター教、マニ教など他宗教と出会う機会を得て大いにその宗教に啓蒙されています。いろいろな宗教が空海の真言密教の教義形成に重大な影響を与えているのです。だから、空海は小沢幹事長の宗教哲学とまったく違い柔軟な思想の持ち主・宗教家だったのです。空海のその生き様は、素晴らしい歴史観でその実像を描いた名著・司馬遼太郎著『空海の風景』でとてもよく理解できます。
小沢幹事長は、キリスト教を排他的と断定し、仏教はあらゆるものを受け入れる宗教としています。しかし、ガリレオの異端審判や魔女狩りを行なったキリスト教司祭と同じ宗教的弾圧が、仏教国日本でも起きているのを彼は知らないのでしょうか?その宗教的弾圧である、江戸時代初期キリスト教禁止による隠れキリスタンの粛清・悲劇は名作小説『沈黙』遠藤周作著に詳しく描かれています。
これら三項目の歴史的事実を小沢幹事長はまったく御存知ないみたいです。彼にはこの名作小説三冊を熟読してほしいです。そして、即位20年の記者会見での天皇陛下のお言葉『私がむしろ心配なのは、次第に過去の歴史が忘れられていくのではないかということです。過去の歴史的事実を十分に知って、未来に備えることが大切と思います。』を肝に銘じてほしいと、私は思っています。
小沢幹事長の発言に関して「日本キリスト教連合会」は民主党に『一面的な理解に基づく、それこそ「排他的」で「独善的」な発言で、見識を深く疑わざるを得ない』との抗議文を送っています。この団体が抗議する前に、私は、東京カテドラル聖マリア大聖堂の信徒総代でもあるクリスチャンの前麻生太郎首相が、その抗議行動を起してほしかったです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする